「はい、そうですが?」
「フッ、無用心なヤツ……」
「……へ?」
「一部のポケモンですら危険予知をするのに」
そう、なの……?ハウも怖いって言うけど……?あたしが鈍感なの?
「オレはグラジオ。理由あって、相棒のヌルを鍛えている!ま……、今は、スカル団の雇われ用心棒、だがな」
「は、はぁ……」
「何も言わず、オレたちの相手しな」
有無を言わさないポケモン勝負。怖いわけじゃない、でもこの時、何でだかこの人と戦わなきゃいけない…、そんな気がしたの……。
「ズバット、かみつく!」
「イワンコ、いわおとし!」
2匹めまでは順当に倒した。スカル団って勝負は得意じゃないのかも、油断してたら3匹めに彼の言う“ヌル”、つまり…タイプ:ヌルを繰り出してきた。防御力が高くて…、手数をかけて戦うのがやっとだった。
「……フッ。何してやがる、オレ」
憎いヤツ、彼はあたしのことをそう言ったけど、自分のことも責めるんだ……。
「強いヤツと続けて戦う心構えが足りていないのか」
強いヤツ…?さっきはハウのこと弱いって言ってた、だから思わず聞き返した。
「ああ……。ソイツのポケモンは弱くない」
「じゃあ、何で…?」
「ポケモン勝負を楽しむヤツがいてもいいさ……だがソイツは!しまキングに……しかも、本気のハラに勝てないから、そうやって言い訳してるのさ」
「ひどい……」
いくらなんでも、そこまで言うことないんじゃない……!?チラッとハウの方を見たけど、特に気にしてないのか、
「じーちゃん知ってるのー?っていうかおれ、強いのー?」
なんて聞いてる…。そこにスカル団のしたっぱが来て、グラジオも大したことないな、とか何とか。