17
*メレメレの大試練*


「試練をこなしたかなこと、ポケモンたちの勝負……。どんな技に、魂を込めて繰り出すのか楽しみだぜ!」
「はいあの……、トレーナーではないわたしにも、すごいことだとわかります」

リリィタウンに着いたら、ふたりが出迎えてくれた。ハラさんはかくとうタイプの使い手。確かに相性がいいわけじゃないけど、ここまで一緒に旅してきたこのコたちと、挑みたい。

「ハラさん……せ、背中からでも強さが伝わってくるロト」
「そうだね……」

でも、大丈夫。博士の方を見たら、満面の笑みで微笑んでくれた。強そうなオーラを放つハラさんの背中に、呼びかけた。

「茂みの洞窟の試練達成、おめでとう!お疲れさま、ですな。では、しまキングであるわたしと、勝負をしますかな?」
「……はい!お願いします!」
「かなこ!ハラさんに勝つロト!頑張ロト!」

ハラさんは、ハウとカプ・コケコに捧げた勝負をしたあの場所に、あたしを案内した。

「……せいっ!」

大きく四股を踏んでハラさんは、ぎゅっと鋭い目線をあたしに向けた。

「では、始めるとしますか。メレメレ島最後の試練にして、しまキングとのポケモン勝負!その名も、大試練!では、かなこ!」
「……はい!」
「カプ・コケコに輝く石を託されたきみと!パートナー、フクスローたちのゼンリョク、見せて頂こう!こちらもゼンリョク!オニのハラで行きますぞ!大試練っ!始めぃ!!」

ハラさんのワンリキーとあたしのフクスロー。技がぶつかる度にわかる、この人……ハラさんの本気が伝わってくる。マケンカニとマクノシタ、ケララッパとアゴジムシ、それぞれのゼンリョクが見れて、幸せな時間だった。


bkm
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