「ヨヨヨー!」
マラサダショップの前でハウと楽しくおしゃべりしてたら、いきなり変な声が聞こえてきた。
「おまえらの島巡りの証、おれたちにくれないッスカ?」
「……え?」
変なしゃべり方だし、動きもおかしいし、攻撃的な発言ばっかり…、そんなスカル団に全く怯むことなく挑むハウ、すごい……。やっぱり、男の子なんだなって思う。ボーッとしてたらハウが、あたしにこう言ってきた。
「おれー、島巡りのジャマするスカル団、やっつけるねー!」
「……えっ?あ、そうだね……」
怖くないロか?図鑑からはそんな声が聞こえて。怖いよ、怖い……でも、ハウに二人とも相手して、なんて言えないもん……。そんなこんなでスカル団との初めての勝負が、始まった。
「ゾロア、おいうち!」
「ズバット、ちょうおんぱ!」
幸いにもスカル団の手持ちが1匹しかいなくて、楽に勝つことができた。最終的には島巡りの証なんかいりませーん!とか言いながら退散してったけど、終わったらホッとして肩の力が抜けた。
「かなこ、大丈夫ー?」
「あ、うん…ありがとう」
でもさー、そう呟いたあとに溢した言葉は、もしかしたら、ハウの隠してる本音の一部なのかも…何となく、そう思った。
「スカル団ってヒマなんだねー。誰かの島巡りをジャマしたって、自分は島巡りをこなしたことにはならないのに……」
一瞬暗いカオをしたけどすぐに、笑顔を浮かべてじゃあまた会おうねー!そう言いながら走りさっていった。
「スカル団との勝負、見させてもらいましたよ」
「え……?」
ハウと入れ違いに、イリマさんがやって来た。そういえば、イリマさんを追いかけていったはずなのに、姿が見えなかったなぁ…なんてのんきに思うあたしのポケモンに薬をくれたかと思ったら、
「ボクの試練に挑めるか、チェックさせてもらいます!」
「……え?あ、はい!」
とりあえず元気よく返事をしたら、にっこり笑ってえげつない技を繰り出してきたイリマさん……。さすがキャプテン、挑みがいのある勝負をしかけてきて、強くて…、初めてポケモンを瀕死にさせちゃった。