08
「ヨヨヨー!」

マラサダショップの前でハウと楽しくおしゃべりしてたら、いきなり変な声が聞こえてきた。

「おまえらの島巡りの証、おれたちにくれないッスカ?」
「……え?」

変なしゃべり方だし、動きもおかしいし、攻撃的な発言ばっかり…、そんなスカル団に全く怯むことなく挑むハウ、すごい……。やっぱり、男の子なんだなって思う。ボーッとしてたらハウが、あたしにこう言ってきた。

「おれー、島巡りのジャマするスカル団、やっつけるねー!」
「……えっ?あ、そうだね……」

怖くないロか?図鑑からはそんな声が聞こえて。怖いよ、怖い……でも、ハウに二人とも相手して、なんて言えないもん……。そんなこんなでスカル団との初めての勝負が、始まった。

「ゾロア、おいうち!」
「ズバット、ちょうおんぱ!」

幸いにもスカル団の手持ちが1匹しかいなくて、楽に勝つことができた。最終的には島巡りの証なんかいりませーん!とか言いながら退散してったけど、終わったらホッとして肩の力が抜けた。

「かなこ、大丈夫ー?」
「あ、うん…ありがとう」

でもさー、そう呟いたあとに溢した言葉は、もしかしたら、ハウの隠してる本音の一部なのかも…何となく、そう思った。

「スカル団ってヒマなんだねー。誰かの島巡りをジャマしたって、自分は島巡りをこなしたことにはならないのに……」

一瞬暗いカオをしたけどすぐに、笑顔を浮かべてじゃあまた会おうねー!そう言いながら走りさっていった。

「スカル団との勝負、見させてもらいましたよ」
「え……?」

ハウと入れ違いに、イリマさんがやって来た。そういえば、イリマさんを追いかけていったはずなのに、姿が見えなかったなぁ…なんてのんきに思うあたしのポケモンに薬をくれたかと思ったら、

「ボクの試練に挑めるか、チェックさせてもらいます!」
「……え?あ、はい!」

とりあえず元気よく返事をしたら、にっこり笑ってえげつない技を繰り出してきたイリマさん……。さすがキャプテン、挑みがいのある勝負をしかけてきて、強くて…、初めてポケモンを瀕死にさせちゃった。


bkm
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