06
*なみのり*


プカプカと海に浮かぶ水着の女性たち。まだ子供とはいえ、あんな格好で海を泳ぐのは気が引ける。だが、タマムシデパートで新しい服を調達したかなこは、テンション高めにサイクリングロードを下っていた。ガラの悪そうな連中がいた事は忘れよう。

「……ファファファ!」

見えない壁に惑わされながらも、どく使いのキョウから何とか勝利をもぎ取った。400年以上も前から伝わる極意だというどくどくは、フシギソウから姿を変えたフシギバナにでも教えようか。

「商品はきみのものだ!」

新たなポケモンを捕まえるために、セキチクシティの目玉でもあるサファリゾーンに足を運んだ。小屋の主は久しぶりに人が来てよほど嬉しかったのだろう…、気前よくひでんマシン03《なみのり》を渡してくれた。

「えいっ!」

つりオヤジからいいつりざお、すごいつりざおを立て続けにもらい、サファリゾーンの園長に金の入れ歯を渡して《かいりき》のひでんマシンをもらった帰りにミニリュウという珍しいポケモンを捕まえた。それに気を良くしたかなこは、釣り上げたヒトデマンになみのりを覚えさせ、ゆらゆらと海の上を進んでいく。双子島という洞窟を見つけ、一瞬中を覗いてみたが、もし複雑な地形で中で迷うような事があれば困るから、入るのをやめた。思えばイワヤマトンネルも大変だった。

「わ、真っ暗!」

足を踏み入れたはよかったが、辺りは薄暗いどころか真っ暗で何も見えなかった。慌てて引き返して、ディグダの穴でも散策しようと歩き回った先に、オーキド博士の助手がいて。《フラッシュ》というひでんマシンを受け取り、ピカチュウに教えてようやく、イワヤマトンネルを抜ける事ができたのだから。

「双子島はまた、今度ね」

たまたま出会ったパウワウを連れて、元来た道をゆったりと戻っていった。


bkm
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