「…ところで、この壁画を見て…何か感じるところはあるかな?」
じーっと見てみるけど、すごいなって事しか…。あまりにも真剣に見てたからか、クスクスと笑われてしまった。
「…え?」
「ふふ…ごめんごめん。 数千年の昔…原始の頃、その力をもって、ボクたち人間の大いなる脅威となっていた伝説のポケモン…その力のすさまじさが、壁画を見ているだけで伝わってくるよ…」
そう言われて見てみると、ポケモンに見えるかも…?まだまだ私の知らないポケモンが、いっぱいこの世の中にはいるんだな…。
「…うん、きみのポケモンも彼らに負けじと、なかなかいい感じだね」
きみときみのポケモンたち…と言葉を区切ると、ダイゴさんはすごい事を言い出した。
「修行を続ければ、いつかはポケモンリーグのチャンピオンにだってなれる…ボクはそう思うな」
「え…っ!?」
そう言って洞窟から出ていこうとするダイゴさんの背中に声をかけるけど、先を急ぐから…って、私の声に振り返る事なくいなくなっちゃった。また…会えるかな…?少しだけ淡い期待を胸に抱いて、洞窟を出た。
「…ハギさん!?」
ムロからどうやって出よう…そう考えていたら、昨日お世話になったハギさんが港に来ていた。聞けば、ツワブキ社長から、またお願いがあるらしく…。
「おまえさんが取り戻してくれた、デボンの荷物をな、カイナ造船所にいるクスノキっちゅう人に、届けてほしいそうじゃ」
何かよくわからないけど…行った方がいいんだよね?はい、と返事をすると善は急げじゃ!って。ご好意に甘えて、カイナシティまで乗せてもらった。