「確か、クスノキさんにデボンの荷物を届けるんだったな!」
そう言うとハギさんは夜の海に消えていく。またしても遅くなっちゃった…!暗いなあ、そう思いながらビーチを歩いていると。
「…お嬢さん。こんな時間に一人かい?」
「…え?」
振り返ると、怖そうな感じの船乗りさんが三人くらいいて…。逃げようとすると、出口を塞がれた。
「…っ、な、何ですか…!?」
「…可愛いねえ、これから遊びに行かない?」
いきなり肩を抱かれて、身動きが取れなくなる。
「…お兄さんたちがいいところに連れてってあげるから…さあ?」
…っ!耳元でしゃべらないで…!!他の二人は耳が弱いんだね、とか話してる。
「…お断りします!」
そう言うと無理やり、腕を引っ張られる…!
「…いや!やめて!」
「…てててて!」
急に手の支配がなくなったと思ったら…これまた怖そうなお兄さん?おじさん?が船乗りの手を掴んで退治してくれた。
「…ありがとうございます」
「…オウ」
どうやらこの人は無口みたい…でも目は合わせてくれた。
「…気いつけろや、姉ちゃん。若けえモンがこんな時間にうろつくんじゃねえ」
「…はい!すいません!助けて頂いて、ありがとうございます!」
もう一度ぺこりとお辞儀をすると、はよいけ!と言われる。色んな人が…いるんだな…。