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「あんたは、ピーコちゃんの命の恩人じゃよ!わしはハギというのじゃが、きみは…?」
「…かなこです」
「そうか、かなこというのか!本当にありがとうよ!」

そう言うと困ったことがあれば言ってくれ、だって。ハギさんって、いい人そうだな。

「いつもはトウカの森の近くにある、浜辺の小屋にいるからの!」

行くことはないだろうな、と思ったけどはい、また!と返事をすると、ピーコちゃんと共に帰っていく。外にいたトンネルの作業員さんもこれで仕事ができるって喜んでたし、ひとまず、良かったかな…じゃなくて!早く荷物を渡さなきゃ!またしても急いで走って研究員さんの元に向かうと、研究員さんが待っててくれた。

「ああ!どうでした?デボンの荷物は…?」
「…はい、どうぞ」
「取り返してくれたのですか!きみは本当にすごいトレーナーですね!」

そこまででは…と謙遜したけどお礼にスーパーボールあげちゃおう、ってまたもらっちゃった…。でも、そそっかしいけど本当いい人だな。

「きみ!きみ!わたしに着いてきてください!」
「…え?」

いきなり着いてきて、そう言われて着いたのが…。わ、おっきな会社…あの、ドラゴンみたいなモチーフ、一体何だろう?そしてここでの出会いから、まさか私の人生を変える人に会うことになるなんて…この時は、全く予想もつかなかったんだ…。とりあえず言われた通りに着いていくと。

「ここがデボンコーポレーション3階、社長のお部屋なのよね!いやー!きみには感謝感激雨あられなのです」

…え?今、社長って言った…?そんなすごい人とこれから、会わなきゃならないの…?無理無理!

「…さて、ちょっと待っていてくださいね」

私の話も聞かずに行っちゃった…。戻ってきたと思ったら、

「社長がぜひ、お話したいそうです。わたしに着いてきてください」

って…。無駄にドキドキいっている心臓が落ち着かないまま、社長とご対面…。


bkm
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