「あれがないと…わたしとても困るんです」
「…わかりました。必ず荷物は取り返します!待っててください!」
そう言うと走ってアクア団の逃げた方へ向かう。確か、こっちだったよね…?昨日戦ったトレーナーたちに聞きながら、必死で追いかける。
「…?」
聞き出したトンネル…はここよね。あの、洞窟の前にいる人は誰…?じっと見てたら、目が合っちゃった…!!
「あああ、何ということだ!ピーコちゃんと散歩をしていたら、いきなりおかしなやつがやってきて、わしの可愛いピーコちゃんが奪われてしまったのじゃ!」
「ピーコちゃん…?」
そう聞くとうおー!ピーコちゃーん!って、答えになってない。とにかく、荷物取り返さなきゃ…!
「…はあ、はあ、追いついた…」
こないだのアクア団と、隣にいるのは…キャモメ?…もしかして、この子がピーコちゃん…?
「えーい、くっそー!奪ったポケモンは、何の役にも立たないし、いいところに逃げこめたと思ったのに、このトンネル行き止まりじゃねーか!」
誰が聞いてるワケでもないのに、一人でぶつぶつ言ってる…。と思ったら、私に気づいたようで。
「やい!おまえ!おれと勝負するんだな!?」
「…荷物を返してくれるならね!」
相手のポケモンはポチエナ…じゃあ私は、ジグザグマで勝負!
「やったー!」
「む、むぐぐー!おれの悪事も行き止まりかっ!」
「?何言ってるの?」
この人…独り言が多いタイプなんだ…。
「おかしいなあ…リーダーの話では、何かの荷物をデボンから盗んでくるっていう、楽な仕事だったはずなのに…」
ちぇっ!とか言いながら荷物をこっちに投げてくる。
「…ちょっと!」
バランスを崩しながらも何とかキャッチする。その隙に、アクア団は逃げちゃった…。
「…ま、いっか」「ピーコちゃん!無事でよかった!」
私と、先ほどの老人の声が重なった。やっぱり…このコがピーコちゃん…。