「…かなこちゃん」
それから、ダイゴさんは私を、カイナシティのコンテスト会場に連れていく。何だろう?と思ったら、そこにはルチアちゃんがいて。
「…かなこちゃん!」
「ルチアちゃん!」
感動の再会…と思ったら、こっちこっち!と相変わらずマイペースなルチアちゃんに、控え室に連れていかれた。ダイゴさんはというと、ただ微笑んでるだけで、何か不気味。
「わあ……!」
支度が終わってロビーに戻ると。タキシードに身を包んだダイゴさんがいて…。私はというと、素敵なドレスに…、綺麗なネイルをしてもらって!もう、テンションあがりまくり!
「ダイゴさん!ありがとう!」
「どういたしまして。お気に召したかい?お姫さま」
……っ!!ダイゴさんの笑顔が素敵すぎて…、クラクラしてしまいそう。さあ、出かけようか、という彼に手を引かれて、カイナシティからの船旅。
「こんな服で船旅なんて…、何か、ロマンチックですね!」
「うん…たまには夜の海もいいかなと思ってね」
家の近くに海はあるのに、こうして船に乗ってると、なみのりで移動しているのとはまた違う、世界が広がっている気がした。
「もう少し…もう少しだけ、待っていてくれるかな」
「え……?」
寄り添い合う二人の間に、不思議な空気が流れていた。でもね…、例えどんな困難が訪れたとしても、私は貴方の側を絶対に離れたりはしないよ……。ダイゴさんがくれたのは、甘くて…、ほろ苦い、チョコレートのようなものだった。