08
「あの……ぼく…ポケモンがほしいんですけど…」
「ん?きみは…確か、ミツルくんといったよね」

ミツル…くんと呼ばれた男の子は、どうやら親戚の家に行くのに、一人じゃ寂しいから…とポケモンを仲間にしたいみたいで。パパは人がいいから、私を付き添いに指名して、見守るように言ってきた。

「えっと…かなこさん、ぼくと一緒に来て…、くれますよね?」

そんな人懐っこい顔で見られたら…。ミツルくんの可愛さに負けて(夜なんだけど)、ポケモンを捕まえるのを見守った。

「やった…ぼくの…、ぼくのポケモンだ……!!」

ラルトスというポケモンを捕まえたミツルくんはすごく満足そうで。ありがとうの言葉にどういたしまして、そう返すと、少し照れてるのかな?顔が赤くなっていた。年下の男の子も、可愛いかも…なんて。ジムに帰ってパパにポケモンを返したミツルくんは、私のポケナビにマルチナビを追加してくれた。

「じゃあね、かなこさん!センリさん!」

そう笑顔を向けて走っていくミツルくん。その背中を見守るとパパは、真剣な顔つきでこう言った。

「さて…かなこ!ポケモントレーナーとして強くなりたいのなら、わたしのアドバイスを聞きなさい。まずはこの先ににある、カナズミシティに行くんだ。そこで、ツツジというジムリーダーと戦うといい!そうやって各地のポケモンジムでジムリーダーを倒して、ジムバッジを集めていくんだ」
「うん…やってみるよ」

私にできるかわからないけど…、旅をすることで人として、何か成長できるかもしれないからね。

「パパとも、早く戦いたいな!」
「もちろん、わたしもジムリーダーだ。いずれかなこと勝負するだろう。だが、それはかなこが、強くなってからの話だよ」

つまんないの、そう言うとかなこならすぐだよ、って。もう…優しいんだか何なんだか。とりあえずポケモンセンターの部屋に泊まって、日の出と共にトウカシティを出発した。


bkm
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