07
「…あ!かなこ、あれ!」
「え…?」

街に着く前に。二人並んで歩いてると、その横を通り抜けていく、3匹のアゲハント。

「綺麗……」
「…上手く言葉にできないけど、何だかほっこりしたよ」

ユウキくんらしい表現にクスッと笑うと何だよ、ってまた子供みたいに。

「もうトウカシティは目の前だな。かなこの父さん、センリおじさんがジムリーダーをしてるんだったよな、確か」
「うん、そうだよ」
「オレももう少しポケモンたちを育てたら、挑戦してみようかな」

ジムに挑戦、か。私も少し…考えてみようかな。ひとまずユウキくんと別れると、パパの待つジムへと向かった。

「…パパ!」
「…ん?」

私に気づいたパパがかなこじゃないか!と歓迎してくれた。

「そうか、引っ越しが終わったんだね」
「うん!この通り、ポケモンももらったよ!」

モンスターボールを見せると、パパは嬉しそうに私の頭を撫でてくれる。

「…もう!子供じゃないんだからやめてよー!」

ははは!と笑うパパ。よかった、変わってない。

「立ち話もなんだな。ジムの中でゆっくり話そうか」

というパパの提案でジムの中に入る。へえ…、こう、なってるんだ…。

「…改めてかなこ、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!パパ!」

思わず抱きつくとおお!と驚いた様子を見せたけど、すぐに笑顔を見せてくれる。

「という事は、かなこもわたしのように、ポケモントレーナーになるのか。それは楽しみだな!」

久しぶりの再会に盛り上がっていると。突然、緑色の髪をした一人の男の子が、ジムを訪ねてきた。


bkm
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