「…あ!かなこ、あれ!」
「え…?」
街に着く前に。二人並んで歩いてると、その横を通り抜けていく、3匹のアゲハント。
「綺麗……」
「…上手く言葉にできないけど、何だかほっこりしたよ」
ユウキくんらしい表現にクスッと笑うと何だよ、ってまた子供みたいに。
「もうトウカシティは目の前だな。かなこの父さん、センリおじさんがジムリーダーをしてるんだったよな、確か」
「うん、そうだよ」
「オレももう少しポケモンたちを育てたら、挑戦してみようかな」
ジムに挑戦、か。私も少し…考えてみようかな。ひとまずユウキくんと別れると、パパの待つジムへと向かった。
「…パパ!」
「…ん?」
私に気づいたパパがかなこじゃないか!と歓迎してくれた。
「そうか、引っ越しが終わったんだね」
「うん!この通り、ポケモンももらったよ!」
モンスターボールを見せると、パパは嬉しそうに私の頭を撫でてくれる。
「…もう!子供じゃないんだからやめてよー!」
ははは!と笑うパパ。よかった、変わってない。
「立ち話もなんだな。ジムの中でゆっくり話そうか」
というパパの提案でジムの中に入る。へえ…、こう、なってるんだ…。
「…改めてかなこ、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!パパ!」
思わず抱きつくとおお!と驚いた様子を見せたけど、すぐに笑顔を見せてくれる。
「という事は、かなこもわたしのように、ポケモントレーナーになるのか。それは楽しみだな!」
久しぶりの再会に盛り上がっていると。突然、緑色の髪をした一人の男の子が、ジムを訪ねてきた。