「かなこ、落ち着きなさい?あなたならできるから」
焦って失敗してばっか…!夕方までには何とか完成させたいのに…!そしてある程度形になったところで隣のユウキくんに味見してもらう。
「え…?あ、ありがとな、かなこ」
何か勘違いしてる?まあ、いいよね。とりあえず味は問題なさそう!待ち合わせ場所、どこにしようかな♪
『もしもしかなこちゃん…?』
………………。何ですって…!?まだ仕事が終わらないからって、今日は家にいてね、とか言われる。途端にテンションが下がって、ラティアスも心配してる。
「うん…ごめんね?大丈夫だから」
どうせなら高いところに行きたくて。私は、煙突山に向かった。
「懐かしいな…」
ここ、煙突山で私は、アオギリさんと初めて対峙した。その装置が今でも、ここに残ってる。
「どこに行けば…、ロマンチックな雰囲気味わえるかな…」
世間のみんなはきっと、幸せそうに寄り添ってるんだと思う。それでも、クリスマスよりは全然さみしくなんてない、ないけど……。
「かなこちゃん……?」
え…?ダイゴさん…、何でここに……?伏せていた目をそっちに向けると、慌てて駆け寄ってくる。
「すまない…、遅くなってしまったね」
「…それより!どうしてここが…?」
そう言うとエアームドに乗って捜し回ったんだ、とちょっと息切れめに言う。私…、悪いことしちゃったかな…。
「…はい!ダイゴさん」
「ん?」
「これ…、形は悪いけど…」
「わざわざボクのために…、作ってくれたのかい…?」
綺麗な目を大きく開いて驚いてくれたのかと思ったら、次の瞬間、ぎゅっと抱きしめられた。
「ダイゴさん…」
「かなこちゃん…ありがとう!」
人が集まって来ちゃったから、恥ずかしい…!でも嬉しい!お互いに見つめあったら…、素敵な時間の始まり。