初夜
「ぅん…っ!!あぁん…っ!!ダイゴさん…」

忘れたくても、忘れられない…あの夜。半ば強引な展開にはなってしまったけど…、ボクはかなこちゃんと、ついに身体を重ねたんだ。


「すぅ…」

今日も隣に、愛しい彼女が無防備な寝顔をこちらに向けながら眠っている。あの時のかなこちゃんは、いつも見ているよりも色気があって、それでいて可愛かった。苦しそうに、でも愛しそうにボクを受け入れてくれる彼女は…、とても魅力的で、それにすごく…綺麗だったから……。元々かなこちゃんは女性として魅力はある方だとボクは思っているし、それは周りの男たちも然り。だからこそ早く…自分だけのモノにしたかった。こんな事を思うようになったなんて、何だか悔しいけどね…。ミクリに言わせればダイゴ、きみもやはり男だったか、だろう。でもそれは嫉妬心から無理やり起きた気持ちじゃあないんだ…、それだけはわかってもらいたい。カロスで共に旅をしている時からずっと思っていた気持ちを…、行動で示したかったんだ…。

「ん……ダイゴさん……」

寝言でボクの名前を呼んでくれている。それだけで、すごく幸せなはずなのにボクはまた…求めてしまうんだ。全く…、ボクがこんなヤツだったとはね…。

「かなこちゃん…愛しているよ」

自然と漏れ出た言葉。あの時…、かけれなかった言葉。照れずに、きみに直接言える日はいつか来るのかな?かなこちゃんの髪をそっと撫でる。これから先、どんな事があってもボクは、かなこちゃんを手放さない。もう…きみを一人にしたりなんかしないから……。


bkm
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