犯人はミクリ
…フフッ。実は兼ねてからわたしは、彼…すなわちダイゴの気持ちに気づいていた。

…と言うのも、元々彼は石が大好きで、そのためならどこへでも飛んでいってしまう性格。そんなダイゴに、おやじさんは相当手を焼いているようだが、自業自得であるのは言うまでもない…とわたしは考える。

ダイゴとわたしのつき合いは長く、昔から彼は御曹司という立場上、見合い話が全くなかったわけではない。だが彼の興味は珍しい石。女性がそれを知って、引いてしまった事もあるようだ。終いにはわたしに代わってくれと頼んでくる。かくいうわたしはまだ…、特定の女性を持ちたくないので…ね。もったいないでしょう?こんなに美しいわたしが、誰か一人のモノ…(自制)。

そんなダイゴが、石以外で唯一本気になったもの、それは__みなさんご存じの、彼女の存在。そこまで彼女について彼と話はしなかったが…、わたしの見解では、彼は目覚めのほこらでの事件があった時にはすでに、彼女が気になる存在であったに違いない。そしてわたしの中で(あくまでも個人的主観)それが確信へと変わったのが…、空の柱での一件の後。いつまでも帰ってこない彼女を心配してわざわざ、わたしに連絡してきたのだから。

極めつけは彼女を残して、カロスへ旅立つという謎の行動。きっとあの時彼は…、自分の気持ちに蓋をしに行ったに違いない。そんな事とは知らず、追いかけてきた彼女にわたしは、道標を作り(直接カロスという名前は出していませんよ)、そして再び戻ってきたダイゴ。わたしの読み通り、彼女への想いを強めて。わたしはわたしで、更に別の手を打っていたのだよ…!なんてグロリアスな友情だろう(…おい)…!

…何ですか?誰か、わたしの事をナルシストと呼びましたか?…ごほん。まずは各チャンピオンに軽く伝達をし、四天王の小耳に入れ、石友のツツジさんにも伝え、最大の敵であるおやじさんを説得。

「…そろそろ、いいのではないですか?彼を、自由にしてあげても」
「…そうかね?わしはこれでも、ダイゴを自由に育てたつもりだがね?」
「…恋、ですよ」
「恋…?鯉?コイ…」
「…おやじさん!」
「ほっほっほ、わかっとるよ、ミクリくん。言われなくとも…あいつの行動を見てれば、かなこちゃんが他の女性とは違う、特別な存在であろう事は」

…いや、説得ではなかったか…。すでにお気づきでいらっしゃった。そんな風に周りから冷やかされるからなのか、ダイゴは後にわたしに問いただしてきましたよ…迷惑な奴だ。…わたしですか?何か悪い事でも…?お節介…?そんな事はありませんよ、大事な親友のためなら、どんな事だってするのが、このミクリなのです…。


bkm
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