「やった!」
また数日の日が流れて。私は今、バトルハウスのシングルバトルでやっと30連勝。ミツルくんと戦えるのは…、まだ先かな。マルチバトルはダイゴさんとしかやりたくないから…今回はお預け。時間があれば来てくれるみたいだけど、どうだろう。家には帰ってくるし、明日は買い物に行く予定なんだけど…。
「かなこさん…?」
…しまった!いつの間に来てたのか、ミツルくんが声をかけてくれる。バトルを終えると、初めてかな?二人で昼食。
「かなこさんは今度、コンテストライブに出るんですか…。楽しみですね!」
ふうん、ミツルくんも興味あるんだ…?勝手なイメージだと、バトルにのめり込んでる廃人(失礼)と思ってたから…。今から迎えに行くよ、ってダイゴさんから連絡があったから、外に出て待ってたんだけど。
「まだかなあ、ダイゴさん…」
遅いな、そう思っていたら、後ろからある人に声をかけられる。
「……よお」
…っ。何で肩を抱いてくるの、アオギリさん。でも豪快だから、仲良い同士かセンパイコウハイがやるような感じがして、あんまり嫌じゃない…かも?
「そうだ、1つ頼まれてくんねえか?」
「はい、何ですか?」
その内容は、アクア団の訓練につき合ってやってくれ、って事だった。私で良ければ、新しいコを育てるのにもいい練習になるし、悪くないかも…!
「…はい!私で良ければ!」
そう返事をしたら、肩をポンポン叩いて助かったぜ、なんて言ってる。本当、仲間想いのいい人……。
「……ぎゃあ!」
ア…、アオギリさん……。軽く睨むと、これくらいいいだろ?とか言う。
「こ、これくらいって…!思いっきりお尻触ってましたよね!?」
「細けえこたァ、気にすんな。女のケツ触ったくれえで、何とも思わねえよ」
……。それはそれで何かムカつく。そのあとすぐ、エアームドに乗ったダイゴさんが到着。
「お待たせ、かなこちゃん」
後ろが気になるみたいだったけど、爽やかな笑顔で私を迎えてくれる。寄っていく?という目線もまた素敵。
「…ん?そのスカート、あの時のだね」
「え?あ、はい」
直したの?と言うダイゴさんは、不思議そうに目を丸くしている。後ろを振り返ったらアオギリさんは、いつの間に来たらしい、マツブサさんと話していた。
「気に入ってたから、同じの買ったんです!」
…そう、これは前にミナモデパートで買ったもの。カロスでサイホーンに揺られた時に、履いてたもの。
「さあ、ボクの手に捕まって?」
自然に出された手を取って降りようとしたら、ビリッ、という嫌な音が……。
「…っ!ダイゴさん、待ってください…!」
服が破れてしまった私に、慌てて上着を貸そうとしてくれて。その後も普通に接してくれてたし、それに…つき合ってる今だって、紳士だと思う。…アオギリさんとは大違い。
「明日は、ここに来れるといいな」
そう言うダイゴさんからは、柔らかい雰囲気が出ていて、さっきまでの気持ちはすっかりなくなっていた。