「…ふぅ」
再びホウエンに帰ってきて。デボンに籠りっきりのダイゴさんはしばらく放置して、私はナギさんの元に向かう。他の人たちには会ってるのに、まだナギさんには挨拶していなかったから。そう思ってジムを訪ねたら。
「ナギさん?それなら、キンセツヒルズの屋上じゃないかな?高いところで、風を感じるのが好きみたい…だから」
またしても赤くなる男の子にお礼を言うと、早速キンセツシティ上空を飛んでみる。
「…あ、いた!」
ラティアスにお願いして近くまで降りてもらうと、ナギさんが気づいてくれる。
「かなこさん…、こんにちわ」
「お久しぶりです、ナギさん」
こちらに目を向けると、ナギさんらしい表現でこう言ってくれる。
「風の噂で聞きました、あなたがチャンピオンになった事。これからも、更なる高みを目指していくのでしょうね。大地を…海を…大空さえも駆けめぐり…、そんな予感がします」
「ふふ…ありがとうございます」
そして私はナギさんに、ある事をお願いした。
「ポケモン勝負、お願いします!」
そう言うと喜んで…と二人ともポケモンに乗りながらの勝負が始まった。
「わたしは、チルタリスでお相手します」
「はい…では私は」
そう…、どうしても、試したかったんだ。カロス地方では見つかっていないという、このメガストーンを使って。
「ピジョット、お願い!」
ピジョットをメガシンカさせて、おいかぜを命令する。素早さは上がったけど、ナギさんはチルタリスにゴッドバードを命じる。
「…っ、ピジョット、そらをとぶ!」
なかなかピジョットの良さを発揮できない…!かたやナギさんは、的確に指示をしている。レベルがそんなに、という事もあって、負けてしまった。
「…ありがとうございました!」
でも、ここで挫けたりしない。1vs1の勝負って、そういうところは面白い。本当に、このコたちだけの能力の勝負だもんね。ナギさんにお礼を言って、次のコを強くするために、ミナモシティ辺りに向かった。