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「りゅうせいぐん!」「ギガインパクト!」

わずかにりゅうせいぐんの方が早かった…!倒れるメタグロスをボールに仕舞うとダイゴさんは、まっすぐ私を見つめて、こう言った。

「ふうっ…。結局、きみが一番強くてすごいんだよね」
「…ふふっ、ありがとうございます!」

満面の笑みで微笑み合うと、ありがとう!とお弁当を受け取ってくれる。

「きみも食べていくかい?かなこちゃん」

そう言われたけど…、これ以上仕事の邪魔はできなくて、帰る事を伝える。

「今日は家に帰るから…待っていて?近々また、カントーにも行く予定だから」

本当、ダイゴさんは自由だな。結局チャンピオンの座はどうなったのかとか、色々わからないまま、再びカントーへ二人旅。


「……」

まだ暗い…でも、眠れない…。隣を見ると、無防備な顔で眠っている人__ダイゴさん。起こさないようにそっと起き上がろうとしたら、グイッと強い力で布団に引きずり込まれる。

「ん…?かなこちゃん…?」

何だ、起きてたワケじゃなかったんだ…無意識に私を引っ張ってたみたい。まだ起きる時間じゃないよ?とか寝ぼけ声で言ってくる。

「そうなんですけど……」

何となく目線を逸らしたら、パッと開かれる大きな瞳。なら…って、たちまち悪戯な笑顔。

「ん…っ!」

さっきまでのふわふわした雰囲気が、新鮮で心地良かったのに…と思う気持ちはかき消されて。気を失うように眠りに就くと、朝日で目が覚める。

「ふわぁ……」
「おはよう…かなこちゃん」

あくびをする私にそう声をかけてくるダイゴさん。同じく眠いみたい、目が半分開いてない…ふふ。昨日から、貴重な一面が見れて嬉しい!

「うん…やはり無理は良くないね」
「そうですね…」

若干フラフラしながらシャワーを浴びに行ったダイゴさんの帰りを待って、身支度を整えたら。衝撃的な…、一言。

「かなこちゃんボクはね…後にも先にも、こんな風に愛し合える女の子は、きみしかいないと思うんだ」

…?それって……?

「………え!?!?」

そんな、まさか、そんな……!思わずきゅっとダイゴさんの服の裾を掴む。いつものように少し尖ったブレスレットにチクッとする。

「フフフ…驚いたかい?かなこちゃん」
「はい…」

優しく抱きしめられて、しばらくその温もりを感じていた。


bkm
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