「…わかってる。わかっているけど男は…、時に強引だからね…。かなこちゃんが無理やり…ボクの知らないところで手を出されたら、護りようがないから…」
「…っ」
そっとダイゴさんの背中に腕を回した。私のせいで苦しんでいるのに…そんな風に自分を責めながら。
「ありがとう!かなこちゃん」
しばらくしてごめんね?と申し訳なさそうに謝ってダイゴさんは、お弁当を受け取ってくれた。せっかくだから勝負していきなよ、そう言われた。
「ダイゴの連勝を止めてくれよ、かなこ。そうすりゃコイツは、永遠にチャンピオンだからな!」
後々カゲツさんにそんな事を言われた。後任はミクリさんでほぼ間違いないらしいけど、ルネシティのジムリーダーがまだ、正式に決まっていないんだとか。ダイゴさんはまだやるよ、そう言っているみたいだけど、会社の方でも色々あるみたい。単に石集めしたいからなの…?と思ってしまったのは内緒。
「改めてかなこちゃん」
「はい」
「ボクと、もう一度勝負しない?」
その誘いにもちろん大きく頷くと、私たちの至福の時が始まった。
「ボクはもちろん、エアームドで行くよ!」
「エアームド、いつもありがとう!私は…、このコにしよう!」
久しぶりにライボルトを出してあげると、やる気満々!こっちまで嬉しくなっちゃう!
「ほうでん!」「まきびし!」
いつものように技が重なる。…くっ!エアームド、特性ががんじょうだから一発では倒せない…!
「ほうでん!」「はがねのつばさ!」
ライボルトが勝ったけど、交代したらまた、ダメージが…でも、そんなの気にしてられない!
「頼んだよ…、プテラ!」
あえて弱いタイプを選んでくるダイゴさん。でもプテラは、他のポケモンより素早いから…!
「いわなだれ!」「ほうでん!」
…っ!はがねのつばさのダメージが残っていたおかげで、倒されてしまう。だったらこっちは、このコでいかせてもらう!