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「…。信じられない……」

ここ、ボクが持っていた別荘なんだけどね、とダイゴさん。今はシンオウ地方のチャンピオンを打ち負かした子供が引き継いでるみたい…。というか、昨日の段階ですでに驚いてばかりだったけどまさか…、別荘まで持ってたなんて…。今は外観こそ同じだけど、中は全く変わっていると思うよ?なんて言う。

「どうして、わかるんですか?」
「ふふ…ここは、集めた石を置いておくための場所だったから」

今は新しいケースを買ったから、と家で保管することにしたみたい。やっぱり未だによく…ダイゴさんの思考がわからなくなる。さてどこに行こうか?というダイゴさんはまた無邪気で。いつになったらこのドキドキに慣れるのかな?そんな風に思ったりもした。

「…っ」

突然、お腹に強い痛みを感じた。でも、ダイゴさんに心配かけたくない…!

「かなこちゃん…?」

いきなり動かなくなった私を心配して、予想通りダイゴさんが顔を覗き込んでくる。

「ごめんなさい…ダイゴさん」

力が入らなくて、思わずダイゴさんの身体にしがみつくと、少し休もうか、と優しい。

「気にしなくていいから…ね?」
「はい…」

結局お迎えが来るまでずっと、私はダイゴさんの肩を借りていた。その間もずっと、他愛もない話をしてくれる。それが嬉しくて、ダイゴさんの手を握ろうとしたら、思った。

「ダイゴさんの手…、綺麗……」

細くて長くて、この手で石探ししてるなんて、思えないくらい。華奢なのに、こんなにゴツいアクセサリーつけてるのも、ギャップ萌え……って!!何考えてるの私!

「ん?どうしたんだい?かなこちゃん」

案の定、面白い顔になっているよ、と突っ込まれる。気持ちを誤魔化すために、いつも気になっている事を、聞いてみた。

「あの…」
「ん?何だい?」
「私…お支払いしなくて、いいんですか…?迷惑、かけてないですか…?」

そう言うと驚いたように目を丸くする。なぜ、そんな事を気にするのかい?って具合に。


bkm
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