「…どうしてボクは、外にいても目立つんだろう?わからないな、普通の服装なのに」
確かに今日は少し控えめなスーツを着てるけど、どこにいても何となく視線を集めているのに気づいてるからなのか、わざとなのか。ダイゴさんはいきなりそんな事を言ってくる。やっぱりちょっと常識はずれ…?でもないか、普段は格段にイケメンなだけで、特に不思議な動きはしてないもんね。
「それはダイゴさんが…、イケメンだからですよ」
ちょっとムカつくけど、事実だから…。そう言うとヤキモチかい?って笑顔で。
「…。そうです、悪いですか」
今度はいじけてみるとボクはいつだってヤキモチ焼いているよ、なんて言うもんだから、もう許すしかない。
「本当ずるいなあ、ダイゴさんは」
「フフフ…知っているだろ?きみだって」
らしからぬダイゴさんの話し方にも慣れてきた。少しは仲が深まったって事だよね。
「でもねかなこちゃん、それはきみにだけだから。最もきみは…ボクの事を、思わせぶりなヤツだと思っていたみたいだけどね…」
…っ!何か色々もう…。終いにはダイゴさんのペースにのせられて、お酒もすすむ。
「帰るよ?かなこちゃん」
「はいー!」
無駄にテンション高い…。そんな私を支えながら軽やかに隣を歩くダイゴさん。何かいい事あった?まさかね…。
「かなこちゃん…大丈夫?」
「はい…、さっきよりは…」
だいぶ落ち着いてきたので先にお風呂を頂くと、ダイゴさんの戻りを待つ。
「少し、詰めてくれるかい?」
優しい口調で言うダイゴさんは、天使に見えたり…した。
「ダイゴさん…いい匂い…」
「ん?きみと同じなんだけどな?」
ダイゴさんはというと、いつの間にルームサービス頼んだのかな?ワイン片手にバスローブ…本当、絵になる。
「他の男の前では、酔ったらダメだよ?かなこちゃん」
「…はい」
ミクリさんとの事があるもんね…素直に頷くしかない。それから…とさらに距離を詰めてくるダイゴさん。
「いいかな…?たまには、こんな高級なところで愛し合うのも悪くないよ…?」
…っ!!カッコいい…じゃなくてダメダメ!今日はその…。