「…」
カナズミシティから行こうか、そう言うダイゴさんに着いていって。今回は船じゃないのかな?そう思ったら…。
「これに乗るよ、かなこちゃん。」
「………!?」
…え…!?!?プライベートジェット…!?御曹司だから、想像できなくはなかったけど…。というかダイゴさん…私用でこんなの動かして、ムクゲ社長に怒られないワケ…!?黙っているとダイゴさんがほら、と中から手を差しのべてくる。とりあえず待たせるのは悪いから、そっと手を重ねると、グッと強い力で引かれる。
「ふふ…驚いたかい?」
「…ええ。もちろん…」
驚きすぎて声も出ないよ…。でも空から見る景色はとても素敵で…、あっという間に時間が経ってしまった。
「ありがとうございました!」
操縦士さんにお礼を言うと、また明日、と笑顔のダイゴさん。今までも、まさかプライベートジェット、動かしてたのかな…。そう思うも、やっぱり聞けない私。
「…まさか。誰かを乗せる時じゃないとさすがに、おやじが黙っていないよ」
…もう。何でもお見通し?違う…何て言うのかな。ちょっと頬を膨らませてみるとわざとらしく顔を近づけてくる。
「…どうしたんだい?かなこちゃん」
「…ダイゴさんのバカ」
「そう言う理由が知りたいな?かなこちゃん…教えてよ。どうして?」
満面の笑み…!思わず顔を逸らすとチュッと音を立てて頬に口づけがおりてくる。ここからはボクのエアームドでね、と微笑む様に何だかイラッとする。それでも、離れられないなんて私…重症。そっとダイゴさんの背中に腕を回すと、少しだけ外の風を感じられた。
「……」
その存在感に圧倒される…。ここはカンナギタウン__シンオウ地方の歴史を伝えるとされている街。何もないんだけどね、と言うダイゴさんの視線の先には、テンガン山。きっと行きたいんだろうな、そう思いながら奥へ進んでいく。
「他にも、シンオウの神話について学べたりするみたいだけど、どうしようか?」
「そうですね…でも、都会っぽいところもいいかな、って」
そう言うとコトブキシティはどうかな?とダイゴさん。