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「ダイゴさん…寝癖も可愛いのに」
「…っ!?」

…きみは何を言っているんだ!ボクはそんな事言われても嬉しくない…!せめて、カッコいい、とか言ってくれれば…なんてワガママだな、ダイゴ。

「ふふ、嘘です。どんなダイゴさんでも、私は好きです」

ボクも好き…だけど昨日のあの瞬間は…、愛してる、それがふさわしいと思う。

「うん…ボクもかなこちゃん、きみが好きだよ」

そう言うと綺麗な笑顔を浮かべてくれる。彼女の優しさと強さ。ボクが今まで女性に感じた事のない気持ち。強い人も、優しい人も、たくさんいると思う。けれどもボクがこの世で、一番大切にしたいと思えるのはかなこちゃん…きみ以外には現れない。

「少し…電話してくるよ」

明日のホテルの空き状況を確認すべく、電話をかけた。その事をカゲツに話したら仕方ねえな、と納得してくれたようだ。ただし…と1泊しか許可はもらえなかったけどね…。予約が取れたのは3日後。かなこちゃんにシンオウに行く事を伝えると、いつものスーツに袖を通して、ミナモシティのデパートに向かった。


「あ…。フウくんとランちゃん!」

無事冷蔵庫を買い終えて。模様替えグッズでも見ようかな、そう思っていたら。二人が宇宙センターの職員さんに連れられて、おもちゃを選んでいるところに遭遇した。

「二人の能力は、本物だからね」

同じ街に住んでるダイゴさんがそう言うんだから、間違いないんだろうけど。というかいつから…、あのデボンではなく一人暮らしになったのかな?聞きたいけど、聞きづらいような…?

「フフフ…ボクがいつからトクサネに住んでいるのか聞きたいのかい?かなこちゃん」
「…っ!」

そう言うと物心ついた頃からね…とはぐらかされる。…まあ、わかってたけど。わざとらしくぎゅっと服を掴むと、優しく手を繋がれる。…ずるい、本当に。そして私たちは、シンオウ地方に旅立ったんだ…けど。


bkm
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