唯一の楽しみ
ヒロイン:DPpt主人公


「また停電ですか…」

オレがジムを改造していると、直ぐに苦情がやってくる。…全く。いつもの作業員がまた、電気の使いすぎだ、などと言ってオレにケチをつけているに違いない。現に停電するほどの電力を使っている覚えはない。やっと最後の仕上げが終わったからオレは、灯台でぼんやり遠くを眺めていた。手強い挑戦者はいない。ジムリーダーをやっているよりも、ジムを改造している方がどれ程楽しいか。まあ…普通の奴らにはわからないだろう。溜息をついていた時に現れた、一人の少女__かなこ。闘わずとも伝わってくる、強さ。…決めた!オレはきみに負けたら、ポケモンリーグでも何でも挑戦するとしよう。

「…やったー!」
「まいったなーー!きみの気持ち、ポケモンのひたむきさ。戦っているだけで熱くなる、とてもいい勝負だった」

かなこという挑戦者は…、オレにポケモン勝負の楽しさを思い出させてくれたトレーナーだった!なぜか連絡先も交換し、ポケモンリーグに挑戦する彼女を見送った。


「…ふう」

また同じ日々が続いている。だが今は…、強くなったかなこと戦える日が、待ち遠しくて仕方ない。そう思っていた矢先、かなこから電話がかかってきた。

「…どうした」
「デンジさん!聞いてください!」

別荘を譲ってもらえた!と電話越しでもかなり喜んでいるのがわかる。オレには正直良さが全くわからなかったが、遊びに行くとだけ伝えた。

「…かなこ」

オレは別荘に足を運んだ。そして今日…、かなこに大事な事を伝えようと思う。ポケモン勝負の相手じゃなく、人生のパートナーとして。

「…きみが好きだ」
「はい…私も…」

華奢なかなこの身体を抱き寄せて、オレたちは時間をかけて、互いの想いを口にし合った。ジムの改造以外の楽しみが、また1つ増えた。


bkm
prev next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -