赤色の約束
ヒロイン:oras主人公(年齢設定高め)


「キミ…。……いや、あえてこう呼ぼう。かなこちゃん、と」

まだあどけない様子のかなこちゃんを見て、私は気づけばそう言っていた。散々キサマだの何だの偉そうにしていたが、世界を、このマツブサ、いや…マグマ団を救ったのは、他ならぬかなこちゃんだからな…。


「マツブサさん、こんにちわ!」

あの事態が収集した後、ますますマグマ団の結束力が高まったと自負している。ホムラもカガリも、このマツブサにとって、必要不可欠な存在であることは間違いない。そして今、更なる高みを目指すため、バトルリゾートという、強者が集まるとされる場所へと足を運んでいる。

「ああ…キミ、いや、かなこちゃんか」

元気か?そう声をかけた。時々ここに通ってはいるが、かなこちゃんの姿を見かけた事はなく、別に何かすべき事象があるのだろう…そう諦めていたのだ。

「一緒に、組みませんか?タッグバトル」

…!そうか、その手があったな…!ここは単純にバトルをするだけでなく、色々な戦い方があると前に、説明を受けていたな。個人でこなせるところは幾度か試していたが、人様と組むとなると、それなりに信用の置ける者でなければならんからな…。

「キミとなら…、悪くないかもしれぬな。フフハ…!ひときわ胸が高鳴るよ…!興味深い勝負になりそうだ…!」

知らぬ間に気持ちが高揚していた。1ミリたりとも想像していない感情だった。

「ありがとうございました!マツブサさん!」

何とも言えぬ笑顔を向けるかなこちゃんの手を取る。

「…マツブサ、さん…?」
「キミはもう…、大人、なのだな?」

黙って頷くかなこちゃんの手を強く握り、帳が降りたこの地で再び訪れるであろう、始まりを約束した。


bkm
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