「うっ…。ちょっと怖いですね…」
独特なぎしっ、という柱の揺れる音。それにかなこちゃんは恐怖を感じているようだ。そっと手を握ると、大胆にも腕にすがってくる。
「…かなこちゃん。もっとくっついてくれてもいいよ?」
そう言うとまたからかって!と怒り気味。そうじゃないよ、ボクが、そうしてほしいから…ってまた、危ない思考が出てきそうになる。全く、朝から何を考えているんだボクは…!何とか怖がるかなこちゃんと上まで昇り終えると、長老さんから少し話を聞いた。
「ねえ、これをまた…戻るんですよね?」
…あはは!半分泣きそうな顔している…!ボクが大袈裟に笑うとたちまち頬を膨らませる。
「それなら…、あなぬけのヒモを使おうか?かなこちゃん」
その提案にうんうん、と頷く。幸せだな…石に出会うのとはまた違う、楽しみだと思った。
「ふう…お疲れ様」
「ダイゴさん…」
尚も寄り添ってくるかなこちゃん。そんなに甘えられると、平静を装えないんだけどな…?
「…んっ!」
軽くキスすると顔を赤くしている。こんなところで…!と文句を言い始めた。
「ここじゃなかったら、いいのかい…?」
「…。ずるいです!ダイゴさん!」
やれやれ。明日はどこに行こうかな?とか話しながら、自然公園で買ってきたものを食べる。
「広いですねー!空気も美味しいし!」
勝負をしかけてくるトレーナーたちと手合わせしながら、穏やかに時間は過ぎてゆく。
「そっちも、気になるかい…?」
自然公園と35番道路を繋ぐゲートの先に、ポケスロンという競技会場があるんだ。かなこちゃんはラティアスはダメかなー?とか真剣になって悩んでいる。