14
「もしかして…、私がジムに行ってる間、またアルフの遺跡に行くつもりじゃ…?」

そう言うとしばしの沈黙。…図星、ね。

「あはは、かなこちゃん。一緒に行きたいなら、待っているよ」
「そうじゃなくて…!」

一人じゃ寂しいな、なんて思ってみたり。すると顔に出てたのか、寂しい?ってダイゴさん。

「…」

ずるいなあ、本当に。なら仕方ないな、ってマダツボミの塔まで手を繋いで歩いた。…そう。すごい今更なんだけど…、思っちゃった。ダイゴさん、左手の薬指に指輪してるよね……?

「ん?どうしたんだい?」
「あの…」

ダイゴさんが顔を覗き込んでくる。何となく誤魔化せない気がして…、正直に話した。

「そんな事気にしていたのか、気がつかなかったな…すまない」

かなこちゃん…。ボクは気づかないうちに、どうやらきみを苦しめていたようだ。大体彼女の思っていそうな事は、くみ取っていたつもりなんだけどな…?かなこちゃん、意外とわかりやすく顔に出ているからね…。

「ダイゴさん、左手の薬指に指輪してますよね…?」

今更なんですけど、とわざわざ断りを入れてくる。ボクとしては指輪をつけているのはあくまで趣味だから、特に深い意味はなかったんだけど。

「ん?もしかして、婚約指輪かって事?」

そう聞くとはい…と答えにくそうに言う。まさかボクに、婚約してくれるような女の子がいるとでも…?そう答えるとダイゴさんモテますもん!って。何はともあれ、解決したみたいで良かった。晴れやかな笑顔を浮かべる彼女は、素敵だと思うからね…。


bkm
prev next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -