「もしかして…、私がジムに行ってる間、またアルフの遺跡に行くつもりじゃ…?」
そう言うとしばしの沈黙。…図星、ね。
「あはは、かなこちゃん。一緒に行きたいなら、待っているよ」
「そうじゃなくて…!」
一人じゃ寂しいな、なんて思ってみたり。すると顔に出てたのか、寂しい?ってダイゴさん。
「…」
ずるいなあ、本当に。なら仕方ないな、ってマダツボミの塔まで手を繋いで歩いた。…そう。すごい今更なんだけど…、思っちゃった。ダイゴさん、左手の薬指に指輪してるよね……?
「ん?どうしたんだい?」
「あの…」
ダイゴさんが顔を覗き込んでくる。何となく誤魔化せない気がして…、正直に話した。
「そんな事気にしていたのか、気がつかなかったな…すまない」
かなこちゃん…。ボクは気づかないうちに、どうやらきみを苦しめていたようだ。大体彼女の思っていそうな事は、くみ取っていたつもりなんだけどな…?かなこちゃん、意外とわかりやすく顔に出ているからね…。
「ダイゴさん、左手の薬指に指輪してますよね…?」
今更なんですけど、とわざわざ断りを入れてくる。ボクとしては指輪をつけているのはあくまで趣味だから、特に深い意味はなかったんだけど。
「ん?もしかして、婚約指輪かって事?」
そう聞くとはい…と答えにくそうに言う。まさかボクに、婚約してくれるような女の子がいるとでも…?そう答えるとダイゴさんモテますもん!って。何はともあれ、解決したみたいで良かった。晴れやかな笑顔を浮かべる彼女は、素敵だと思うからね…。