「…これで許可はもらえたね」
そう言うダイゴさんは嬉しそう。旅をすること。それから…、ダイゴさんと一緒に住むこと。これも、許可してもらっちゃって。
「最も…センリさんは許していないかもしれないけどね」
「どう…でしょうか」
そう返すと父親はよく思わないんじゃないかな?ってダイゴさん。
「まさかボクに、こういう日が来るとはね…」
軽くお酒を飲みながら。しんみりとダイゴさんは言う。
「ボクを選んでくれたかなこちゃんに…、感謝しなくちゃね」
「…そんな!こっちこそ、私なんかを選んでくれて…。だってダイゴさん、知らないかもしれないけど、モテてるし…」
そう言うと知っているよ、って返ってくる。…何かムカつく。
「…でもねかなこちゃん。ボクには珍しい石と鋼ポケモンがいれば、それでいいと思っていたから」
ムカつくのに…、やっぱり嬉しくて。そっとダイゴさんの手を握ると、寝ようか、とベッドに促される。
「ん…」
合わせるだけの軽いキス。そうでなければボクは…ああ、辛い。どうしてこうなってしまったんだろう…。
「ミクリは…、どうして女の子とそんな事したいんだい?」
…前にね、聞いた事があるんだ。ミクリはあの容姿だし、昔から女性には人気があった。だからボクなんかよりずっと経験があって…、どうして?って尋ねたんだ。
「フフッ、ダイゴ。そのうちきみにもわかる日が来るだろう、石よりも大事なものができた時に」
石よりも大事なもの…か。決して彼女>石とはならないだろうけど、それでも、特別な存在である事には変わりない。
「どうしてしたいのか…、やっとわかった気がするよ…」
けれど強要なんかしない。だってねかなこちゃん…、ボクは今までもこれからも、きみ以外の女性を愛する事はないだろうから……。