08
「…これで許可はもらえたね」

そう言うダイゴさんは嬉しそう。旅をすること。それから…、ダイゴさんと一緒に住むこと。これも、許可してもらっちゃって。

「最も…センリさんは許していないかもしれないけどね」
「どう…でしょうか」

そう返すと父親はよく思わないんじゃないかな?ってダイゴさん。

「まさかボクに、こういう日が来るとはね…」

軽くお酒を飲みながら。しんみりとダイゴさんは言う。

「ボクを選んでくれたかなこちゃんに…、感謝しなくちゃね」
「…そんな!こっちこそ、私なんかを選んでくれて…。だってダイゴさん、知らないかもしれないけど、モテてるし…」

そう言うと知っているよ、って返ってくる。…何かムカつく。

「…でもねかなこちゃん。ボクには珍しい石と鋼ポケモンがいれば、それでいいと思っていたから」

ムカつくのに…、やっぱり嬉しくて。そっとダイゴさんの手を握ると、寝ようか、とベッドに促される。

「ん…」

合わせるだけの軽いキス。そうでなければボクは…ああ、辛い。どうしてこうなってしまったんだろう…。


「ミクリは…、どうして女の子とそんな事したいんだい?」

…前にね、聞いた事があるんだ。ミクリはあの容姿だし、昔から女性には人気があった。だからボクなんかよりずっと経験があって…、どうして?って尋ねたんだ。

「フフッ、ダイゴ。そのうちきみにもわかる日が来るだろう、石よりも大事なものができた時に」

石よりも大事なもの…か。決して彼女>石とはならないだろうけど、それでも、特別な存在である事には変わりない。

「どうしてしたいのか…、やっとわかった気がするよ…」

けれど強要なんかしない。だってねかなこちゃん…、ボクは今までもこれからも、きみ以外の女性を愛する事はないだろうから……。


bkm
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