「…よかった。でね？パパ、私その、ダイゴさんと…、旅、行ってくるね」
「…!?」

…ん!?そこはそんなに驚くの!?まだおまえには早いよ、とか意味わからない事を言ってくる。というか私、おつき合いする前に、ダイゴさんと旅しちゃってたよ…？

「…あ、いや、何でもないよ。かなこももう立派な大人だもんな、男と何かあったとしても、おかしくはないもんな、ははは…」
「…パパ？どうしたの…？」

突然一人でぶつぶつ言い始めるパパ。やっぱり…、まだ早いのかな？おつき合いとか、その、色々と……。

「…すまないな、かなこ。くれぐれも…、ダイゴくんの側を離れるんじゃないぞ」
「…えっ？あ、うん…」
「他の男にフラフラするのはよくないからな？」
「…うん」

なんかよくわからなかったなあ、パパの言ってる事が。とりあえず…、ダイゴさんとの事は、大丈夫、みたい。ママにも帰ってから話したけど、

「あらやだー！かなこ、やっぱりあの人とおつき合いしてたのね！すごくイケメンじゃない、よかったわね！」

喜びすぎ…。私がイケメンに選ばれたのが、そんなに嬉しかったのかな？見た目は素敵だけど中身は石マニアだと思うけど…、ね？

「…って！私が言っちゃった！」

そう言うといきなりどうしたの！と言われて初めて、思った事が口から出ちゃってたのに気づいた。

「…ていうかママ！やっぱりって何!?」

そうだよ何で、ママが知ってるの…？まあでも、チャンピオンだし、デボンの御曹司だし、知っててもおかしくはない…よね。結局ママはうふふ、とか言って終止誤魔化したままだった。

「何で…、ダイゴさんの事、好きになっちゃったんだろう…」

外に出て。ふとそう呟くと、背後でバサッと翼の音がする。あれ…？まさか……。

「…聞き捨てならないな、今のセリフ」
「……っ!!」

やっぱり…！ダイゴさん…!!ごめんなさいと謝ると、電話したんだけどな？って。

「本当だ…。着信アリになってました…」

マルチナビ…ではなく、携帯の方(ダイゴさんから専用の携帯をもらいました…)のディスプレイに『ダイゴさん』って表示されてる。