「決めた?どこに行くか」
「ここが…いいかな、って」
日が高くなろうとしている頃。ダイゴさんの持ってきた世界地図。その中から唐突に、どこがいい?と聞かれた。遠くにも行きたいけど…ダイゴさんのお仕事を考えたら、いつでも戻れるところがいいかな、と。
「ふふ…いいよ、そこにしようか」
ちょうど、見てみたいものもあるしね、と上機嫌のダイゴさんとの行き先は、ジョウト・カントー地方に決まった。ダイゴさんは四天王のみなさんに、私はママに話に行かないと…とそれぞれ一旦別れた。そう言えば、ツワブキ社長には…、いいのかな。とりあえずラティアスにお願いして家に帰ると、なぜかパパがいて。
「かなこ…二人だけで話がしたい」
…って、ええ!?あいにくママは買い物中で、私に逃げ道なんてない。…はあ。色々大変だったよ……。
「どこまで、行くの?」
コトキタウンを通り越して、初めてユウキくんとバトルした103番道路まで来ると、パパはふう…と溜息を溢した。
「ダイゴくんと…、つき合ってるんだってな」
「…え…!?!?」
…なんでバレてるの!?まさかダイゴさん…、しゃべっちゃったの!?パパに…。あたふたしてるとかなこ、って肩を掴まれる。
「…うん、ごめんなさい、黙ってて」
そう言うとパパは、一瞬複雑そうな顔をしたけど、すぐに笑顔になった。
「…いや、責めてるわけじゃないんだ。ただ…、パパとしては、かなこが誰かのモノになってしまうのは、ちょっと寂しくてね」
…何だ、そうだったのか。てっきり、ダイゴさんはやめとけ!って言われるんだと思ってた。
「そんな事は言わないよ。きっと彼なら、かなこを大切にしてくれるだろう」
「…うん、そうだといいな」
石…にのめり込んでなければ、ね。