「…けどよ、オマエ、どうしてこんなところにいるんだ?ダイゴはどうした」
「それが……」
私は昼間の経緯を話した、するとカゲツさんはふはは!と豪快に笑った。
「…ダイゴのやつ、よく我慢してんな!つーかかなこ、男の経験は」
「え…?」
経験?何のこと?
「つき合った事は…ない、ですけど…」
そう言うとだからか、と妙に納得したようにカゲツさんは頷く。
「…オマエは、どう思ってんだ?ダイゴの事」
「…えっ?す…好きですよ…?ま、まさか…騙されてるとか…!?」
途端に不安になる。やっぱり…からかわれてるの…?ちょっと泣きそう…。
「くくく、オマエは本当面白いな」
「え…?」
「…嘘なわけねえだろ。あいつはオマエに惚れてるぜ、それは間違いねえ」
良かった…って、それじゃ私がダイゴさんの事、信じてないみたいじゃない…。…けどな、とカゲツさんは続ける。
「いつまでもお預け喰らわされたら、いなくなっちまうかもな?」
「…ど、どういう事…ですか…?」
恋愛経験値のない私にとっては…よくわからなくて。
「…だからな?いつまでも抱かせねえ、ってなると、男は我慢できねえ生き物だから、他の抱かせてくれる女のところに行っちまう、って話だ。わかったか」
「…っ、わかりました、わかりましたけど…」
自信、ないんだもん…。胸触られたくらいでびっくりしちゃって…それ以上、なんて……。どうしようもなくて俯いてしまう。
「…だったらよ。」
「え…?」
すごい近くで声がする…と思って顔を上げると。…っ!!カゲツさんが、まっすぐこっちを見てて…。
「オレが練習台になってやるよ…上手いぜ?オレ…」
「…っ!!!!何言ってるんですか…!!」
悪びれる様子もなくどうせ見ちゃったしな?とか言ってくる。私は見てないし…、何より裸にはなってない…!!
「…どうする?帰るか?」
「…もちろん帰ります!!」
もう…恥ずかしすぎておかしくなりそう…!!カゲツさんのバカ…!!心の中で悪態をついて、急いでラティアスに乗って流星の滝へ向かった。