03
「…けどよ、オマエ、どうしてこんなところにいるんだ?ダイゴはどうした」
「それが……」

私は昼間の経緯を話した、するとカゲツさんはふはは!と豪快に笑った。

「…ダイゴのやつ、よく我慢してんな!つーかかなこ、男の経験は」
「え…?」

経験?何のこと?

「つき合った事は…ない、ですけど…」

そう言うとだからか、と妙に納得したようにカゲツさんは頷く。

「…オマエは、どう思ってんだ?ダイゴの事」
「…えっ?す…好きですよ…?ま、まさか…騙されてるとか…!?」

途端に不安になる。やっぱり…からかわれてるの…?ちょっと泣きそう…。

「くくく、オマエは本当面白いな」
「え…?」
「…嘘なわけねえだろ。あいつはオマエに惚れてるぜ、それは間違いねえ」

良かった…って、それじゃ私がダイゴさんの事、信じてないみたいじゃない…。…けどな、とカゲツさんは続ける。

「いつまでもお預け喰らわされたら、いなくなっちまうかもな?」
「…ど、どういう事…ですか…?」

恋愛経験値のない私にとっては…よくわからなくて。

「…だからな?いつまでも抱かせねえ、ってなると、男は我慢できねえ生き物だから、他の抱かせてくれる女のところに行っちまう、って話だ。わかったか」
「…っ、わかりました、わかりましたけど…」

自信、ないんだもん…。胸触られたくらいでびっくりしちゃって…それ以上、なんて……。どうしようもなくて俯いてしまう。

「…だったらよ。」
「え…?」

すごい近くで声がする…と思って顔を上げると。…っ!!カゲツさんが、まっすぐこっちを見てて…。

「オレが練習台になってやるよ…上手いぜ?オレ…」
「…っ!!!!何言ってるんですか…!!」

悪びれる様子もなくどうせ見ちゃったしな?とか言ってくる。私は見てないし…、何より裸にはなってない…!!

「…どうする?帰るか?」
「…もちろん帰ります!!」

もう…恥ずかしすぎておかしくなりそう…!!カゲツさんのバカ…!!心の中で悪態をついて、急いでラティアスに乗って流星の滝へ向かった。


bkm
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