02
「怒らせてしまった…かな」

ボクは一人、流星の滝の外れにある、この空間に取り残された。まあでも…これで、石の採掘に集中できる…ワケないよね。お預けを喰らってしまったからなおさら、彼女に会いたい。大好きなかなこちゃんに、初めて、なんて言われたらボクは……。そっと右手を見つめる。そんなに恥ずかしがる事、ないんだけどな…と思いながらも、少し崖を登って石を探す(ボクの本業はホウエンリーグチャンピオンだけど…ね)。


「はあ…」

お風呂、どうしよう…。無計画のまま、ダイゴさんを置いてきちゃった事を後悔した。とりあえず…フエンタウンに行こう。ラティアスに頼んで、フエンタウンにある温泉に入る事にした。自分で置いてきたくせに…、私はダイゴさんの事ばかり考えてた。いっつも余裕たっぷりで、私が恥ずかしがるの知ってて、変なこと言ってきたり、あんな事はいつもしてこない…か。いきなり触られて、恥ずかしくなっちゃって…。それなのにダイゴさんは顔色ひとつ変えない。

「やっぱり…からかわれてるのかな…」

好き、って言ってもらえたのはすごく嬉しいけど…子供、なのかな、私…。大人の女性ならもっと…、違う反応するのかな…。

「…かなこ!?」
「…えっ!?」

ちょうど下着を脱ごうとしていた時。聞こえるはずのない声に、思わず振り返ると。

「…っ、い、いやーーー!!」

大声を出すとしーっ!と言いながら慌てて下着を着てこっちに来る人__カゲツさん(ここは男湯だったらしい…!!)。オレが何かしたと思われるだろ?と一言。

「ごめんなさい…」

謝るとなぜか、私の方をジロジロ見てくる。

「へえ…意外に、いい身体してんだな」

…っ!!!!そうだった…!!私ってば人の事ばっか…!!湯けむりで隠れてたからカゲツさんのその…部分は見えなかったけど(思い出すと恥ずかしい…!!)、自分は下着姿だった…!待ってください、と服を着直すとポケモンセンターのロビーに移動する。

「何か…、ごめんなさい…色々と」

そう言うと別にいいけどな?といつものカゲツさん。

「それに…いいモン見れたしな」

…っ!できれば忘れて頂きたい…!

「あの…忘れてください…」
「へへっ、どうするかな?なかなかだったぜ?かなこ」

どうしてこうもからかわれるんだろう…。ふとカゲツさんは真面目な顔になって、聞いてきた。


bkm
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