「もう、何で私がこんな事…」
今私は、ラグラージにお願いして滝を登ってもらってる…後ろにダイゴさんを乗せて。
「…助かったよ、かなこちゃん」
かかった水をパシャパシャ、と払いながらダイゴさんは言う。…というか、前から聞こうと思ってたんだけど…同じスーツ、何枚持ってるの…?
「どうしたんだい?かなこちゃん…」
「…っ!!」
途端に近づいた距離に思わず後ずさり。するとまだ慣れないの?と笑われる。
「だって…初めてだったから……」
真っ赤になりながら答えるとそうなの?と嬉しそう。
「フフフ…ボクがきみの初めてを独り占めできるワケ…か」
…えっ!?やけに妖しい笑みを浮かべて近づいてくる。ジリジリと距離を詰められ、気づけば後ろは崖。
「…たっ、助けてダイゴさん!」
「じゃあ…ボクの方に来なよ」
…ね?となおも惑わす笑顔に見とれてると、ぎゅっと抱き寄せられた。
「あ…」
「ダメ……?」
耳元で切なくそう言われたら…ずるいんだよ、本当この人は…。私が断れないのを知ってて、こんな事してくる。返事をする変わりに、軽く目を閉じた。
「ん…っ」
ダイゴさんとのキスは…いつも甘い味。全て溶かされてしまうかのように…、甘くて……。
「…っ!?!?」
…って!!ダイゴさん…、何して…!!
「…やっ!!」
思わず突き飛ばすとなに?とわざと困った顔をするダイゴさん。
「だ…だってダイゴさん、私の…その……」
そう言うと手が滑ってしまったんだ、と言う。…嘘!!思いっきり触ってたでしょ!私の胸!恥ずかしすぎたのを誤魔化すために私は、ある作戦にうって出た。
「…もう帰ります!勝手に石の調査でも何でもしててください!」
そのままラグラージに乗って下に降りる。ダイゴさんは…というと。
「…約束して?3日後には必ず、迎えに来る…って」
「…知りませんもう!」
その後も何かぶつぶつ言ってたけど…、知らないんだから…!!ダイゴさんを一人残して、トクサネシティにあるダイゴさんの家に帰る。
「あ、ママに言わなきゃ…ダイゴさんとの事」
…って、言える状況じゃないよね。はあ、と溜息をつくと、浅瀬の洞穴に出かけた。