キーストーンとアオギリさん02
「アオギリさーん!」

大きな声で部屋に入ると。あれ…?みんなお揃い……?初めに気づいたウシオさんが、

「オウホウ!オレの愛したテメェじゃねえカ!」

って言ってくる。

「どうも、ウシオさん…。相変わらず、元気ですね」
「テメェのおかげで、アニィもアクア団も、更にパワーアップできそうダゼ!カンシャ!カンゲキ!アリガトヨォ!」

握手を求められて、まあ相変わらずカタコトだけど、元のウシオさんに戻ってよかった…そう、思った。続いて、イズミさんに声をかける。

「あらあら、まあまあ。よく来たわね」
「イズミさん、お久しぶりです」
「アンタのおかげで、アタシらアクア団も、新しい一歩を踏み出すことができそうよ。改めて礼を言うわ、あんがとね」

イズミさんもまた…、以前のような、激しい強さはなく、穏やかで、より一層美しい女性になった、そんな感じがした。

「アオギリ、さん」
「ガキンチョ…いや、かなこちゃんじゃねえか」
「…かなこちゃん…!?」

その呼び方に違和感を覚えた私は、呼び捨てでいいです!と必死に否定した。

「…なら、かなこだな。久しぶりじゃねえか」
「アオギリさん、あの…、これ」

アオギリさんにキーストーンと、サメハダナイトを渡す。そう言うとキーストーンは受け取ってくれたけど。

「サメハダナイト、なんだけどよ。実は2個持っちまっててなァ、困ってたんだ。だからそれはかなこにくれてやるぜ」

…ふふ。本当ですか?と聞くとほらよ、と実物を見せてくれる。

「じゃあ…、ありがたく頂戴します」
「オウ…それよりかなこ」
「はい、何でしょう」
「遠慮しなくていいぜ、何にもよ。せっかく来たんだ、好きなようにくつろいでいってくれや」

その言葉に少しだけ、ゆっくりさせてもらった。イズミさんが茶でも飲んでいきなよ、と気前よくしてくれる。

「オウホウ!もう、帰るのカ!」

そろそろおいとましよう…、そう思ったら、ウシオさんに呼び止められた。

「そうだよあんた!もうちょいゆっくりしていきな!」

イズミさんも好意的な反応をしてくれた。だから、私はこう言う。

「こっちに来たときはまた、ここに顔を出しますね!待っててください!」

笑顔で出ていこうとすると出口まで送るぜ、とアオギリさん。イズミさんがちょっと不思議な顔をしていたけど、アオギリさんはわざとらしく肩を抱いて行こうぜ、と言う。

「…えっ!?あ、アオギリさん!?」
「細けえこたァ、気にすんな。行くぜ?かなこ」
「は、はあ…」

ワケのわからぬまま、アオギリさんと外まで一緒にいく。


bkm
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