「かなこ、他に行くヤツいないんだろ?仕方ないな…、つき合ってやるよ」
「ありがとう!ユウキくん!」
12年前、 ママとパパが二人で見たという、シシコ座流星群。私は、おばあちゃんに預けられてたから、見ることができなかった。今回、そのチャンスが巡ってきて、今年ちょうど12歳になったという、ユウキくんと二人で見に行く事に。
「じゃあ、競争しよ?どっちが先に、トクサネシティに着くか!」
「それいいな!そうしようぜ!」
まるで姉弟みたい!最近はそんな風に、思うようになってきた。ユウキくんからしたら、友達のまんまだけど。
「かなこ?置いてくぞ!」
「え?あっ、待って!」
いつの間にかユウキくんは準備してたようで、危うく置いてかれるところだった…!もちろん、私のラティアスは優秀だから、先に着いたんだけどね。
「ふう…結構かかったな」
「でも、間に合ったし、いいじゃない」
二人で並んでロケットを見上げて、すごいな…って感心したり。チケットを渡して中に入ると、シシコ座流星群を見に来た、と思われる人が結構いて。中には、珍客も。
「…お、おまえ!ゲェェー!こんなところで会うとはな…」
いつかの時に戦った、アクア団のしたっぱ。どうやら、プライベートで来てるらしい。あれ?あっちには、マグマ団、アクア団のカップル…かな?ユウキくんの頭に疑問符が浮かんでるから、とりあえず見なかった事にしよう。
「…なあかなこ!」
「うん?」
珍しくユウキくんがはしゃいでるから、何だろう…と思ったら。
「…へえ!じゃあ、写真撮ってあげるよ!」
宇宙服のパネルを見て、ウキウキしてる!そんなユウキくんは年相応で、思わず笑顔がこぼれた。満面の笑みでこっちを向くユウキくん。撮った写真を送ってあげると、満足そう。そろそろだな…とある程度見終えたユウキくんが言う。
「一番前で見ようよ!せっかくだから!」
ちょうど空いていた窓に近いベンチに座る。お互い…、何となくだけど距離を取って。それでも…感動したから、そっと微笑み合った。
「今日の事で、明日からも、頑張れる気がしたよ」
「うん!私もかも!…ユウキくん」
私がユウキくんの方を見ると、同じ事考えてる…と頷き合う。二人で、またしても競争して、ミシロタウンにある家に戻ったんだ。