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「かなこ?どうかしたのか?」
「あ、ううん?行こう?」

そしていつの間にか話が終わってる。あんなに盛り上がってる風だったのに、男の人は女子と違って、長話は嫌いなのかも。たくさんあるわけじゃないけど、ルリナさんとメロンさんとご飯行く時はだいたい、長くおしゃべりしてるもんね。キバナさんの視線が気にはなったけど、行くぞ、と先を急ぐホップの背中を追いかけた。

「かなこー、いくらなんでも無防備すぎるぞ」

ホップの家で夕飯をご馳走になって、眠くなったら家に帰ってきてね、なんてかわいらしく言うお母さんの言葉に甘えることに。彼の部屋には、研究所に比べたら少ないんだろうけど、ポケモンについての資料だったりがたくさんあって。読んでたらずいぶんとリラックスした姿勢になってたみたいで、指摘された。

「だって、ホップの家なんて行き慣れてるでしょ」
「そうじゃないぞ?オマエは女の子だろ?オレが…いや、何でもない」

変なホップ。いつもならあーだこーだ言うはずなのに、今日は大人しいね。何か変なものでも食べたの?それとも、勉強が忙しすぎて頭が回ってないとか?よく見たらちょっとやつれた気もするし…、心配だ。

「ねえ、あたしに何か手伝えることない?」
「急だな。じゃあ、ジムチャレンジが終わったら、ヨロイ島での調査につき合ってほしいんだぞ」

ホップとソニアは、二手に分かれてガラルに棲むポケモンの生態系を調べる計画を立ててるんだと教えてくれた。本当はソニアと行くべきなんだろうけど…、付き合いの長さからしたら断然ホップなんだよね。もちろん、ソニアのことも好きだけど。

「アニキやリーグスタッフには話しておくんだぞ?危ない場所に行くわけじゃないけど、万が一怪我でもしたら困るからな」

え、そんな危険な香りがするんだ…?ワイルドエリアよりもっとワイルドなの?楽しそう!横でウキウキするあたしを見る目は心配性で、キバナさんにはああ言ったけどやっぱり自分が年相応に思えて、苦笑するしかなかった。


bkm
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