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「どうしたんだ?ホップ。こんな時間に」
『こんな時間だからだぞ』

アニキの次は弟か…試合後に突然かかってきた電話に出ると、何か悩んでるみたいだぜ…ったく仕方ねえな、このキバナさまが特別に、オマエを自宅に招待してやるよ。

「ごめん、キバナさん」
「別に構わねえよ?入れ入れ」
「おじゃましまーす…」

そんな恐る恐る入んなよ、オレの家が汚いみたいだろ?だが、リビングに足を踏み入れた瞬間。こいつの目の色が変わった。驚いただろ?あまりの綺麗さに。そう、オレ、天候変えてばっかでそういうの気にしなさそうに見えるだろうが、まあまあ綺麗好きなんだぜ?

「すごいぞ!キバナさんの家、有名人の家みたいだな!」
「そうか?無駄に広いだけだと思うぜ?ポケモンたちを寝かせるスペース、とか思って選んだはいいが、オレさまあんまり家具とか興味ねえんだ。何かおすすめがあったら教えてくれよ」
「さすがだぞ!どんな相手からも学ぼうとする、トレーナーの鏡だな!」

あー、なんかこいつ面倒くせえな。あのポケモンのこと以外無駄にしゃべろうとしないダンデとは正反対だよなあ、ジムチャレンジの頃から思ってたけどよ。てかもう夜中だぜ?良い子は寝る時間だろうが。

「それで、オレさまに聞いてほしい話ってなんだよ」
「あ、ああ、その……かなこの、ことだぞ」
「かなこぃ?何だよ今更。オマエらライバルだろ?互いのことはよく知ってんじゃねえのかよ」

適当にあしらおうとするが、さすが察しがいい。簡単にバレちまう。だからこいつは食い下がらねえ。とりあえずこないだの撮影のお礼にもらった紅茶でも淹れてやるか。


bkm
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