14
「こうしてると、キバナさんと同じ身長になったみたいですね」

ああ、くっっっっそかわいい!!どうするよ?こんなんで。いつも通りというと癪だが、勝負には負けた。オレの見立てだとこいつは天才型だが…、努力は惜しまねえ。つまり、だ。倒すのは容易じゃねえってこと。溜息が出るくらい悔しいが…、簡単に諦めるのもな。オレを信じて戦ってくれるパートナーたちに失礼ってもんだぜ。

「オマエはちっちゃいもんな?かなこ」
「むう。どうせちっちゃいですよぉ…」

むくれてる顔も。全部かわいい。マジで重症だな、これ。だから集中できない?いや…んなことねえと思うけど。相変わらずこいつには男がどんな生き物かってのはわからないみたいだがまあ、それも悪くないかと思う自分はやっぱどうかしてる。別に人に自慢できるほど恋愛してきたわけじゃねえよ?けど、惚れた女と想い合えなくても満足なんて気持ち、記憶にねえんだよな。

「ダンデさん、遅いですね」
「どうせ迷ってんだろ。ったく、あいつから誘ったくせに」
「へへ、ふたり、やっぱり仲良いですね!」
「ん?まあな。これでも長いつき合いだからな」

こいつの笑顔、それから何気ない会話。どれも大切で仕方なくて、おかげで毎日がかなり充実してるぜ。だが、かなこの笑顔が曇っちまうような出来事が、起ころうとしてるんだ…。

「オマエの熱量を見せてくれ!リザードン!キョダイゴクエン!」
「轟け、竜の咆哮!届けよ、やつらの喉笛に!」

プライベートだけど、プライベートじゃない…そのくらいに、白熱した試合展開だった。惹き込まれて、ずっと観ていたい衝動に駆られる…すごい。 戦ってても感じるけど、外から見るとこんなに、わくわくするんだ……。思わず言葉を失ったあたしにふたりは、満面の笑みをくれた。


bkm
prev next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -