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「上がれよ、リョウタ」

こないだはルリナのせいで予定が狂っちまったからな…あの日はなかなかに散々だったぜ。朝早く集合とか言われて現場についたはいいが、待たされる始末。結局、1日がかりの撮影だったしな…。しかも、だ。ラブシーンでもねえのに?ベッドで撮るとか、男を馬鹿にしてんのかよ。嫌でも意識しちまうよな?普通。

「いい?押し倒しても」
「はあ?真面目にやってよね」

このやり取り、何度繰り返したっけなー?別に本気でルリナとヤりたいとか思ったわけじゃねえよ?だが、冗談ぽく何か言ってないと、余計なことばかり浮かんでくんだよ。けどあれだ…もうちょい胸があれば抱けるかもな。なんて言ったら刺されそうだから、絶対言わねえけど。

「いつもすいません、キバナさん」
「気にすんなよ!男の一人暮らしなんて寂しいもんだからな!ゆっくりしてけよ、今日も」

オレの信頼のおける仲間のひとり、リョウタは、家にパジャマがあるくらいには泊まりに来てる。だが、ついにジムの近くに引っ越すことを決めたからな…こいつがここに来る回数も、これから減るかもしれねえ。

「どうかしましたか?」
「ん?いや、何でもねえよ。さ、乾杯しようぜ」

ドラゴンタイプの扱いは大変だ。だが、だからこそ使いこなせた時の感動とやらは一際デカい。そう…カントー地方でトップに君臨するワタルさんのようにな。オレはガラルで最強を目指す。ダンデを…それから、かなこを倒さなきゃ最強とは呼べねえ。さあ、再びストイックになってやるか。リョウタが寝た頃合いを見計らって、ジュラルドンたちを連れて夜のワイルドエリアへ繰り出した。


bkm
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