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「「あ……」」

今日はトーナメントが開催されている。あたしは午前中取材で、午後からはホップと一緒に、マリィの応援に来ていた。

「どうだ?観客席からの眺めは」
「うん!いいね!最高だね!」

他には誰が出場してるのか知らない。そこまで関与しなくても、みんなジムリーダーとか常識ある人たちだから。何にも困る事はないもんね。最近は変なトラブルも減ったみたいだし、ガラルの平和が保たれてるなら、他に何もいらないよ。

「お、アニキだぞ!かなこ」
「へ?あ、あれ?今日、出場予定だった?」
「ん?ああ、ここじゃないか?スペシャルゲストっていう…」

マリィは順当に1回戦を勝ち抜いた。4試合目。スペシャルゲストと書かれた枠には、ダンデさんが登場した事で会場のボルテージは最高潮になった。かっこいい…。観客を惹きつける技選びは、フィールドで戦ってる時からすごいなって思ってるけどでも…、そうじゃない。ここから見たらこんなに、かっこいいんだ…。

「かなこ……?」
「なに?」
「そんなにアニキの事が気になるのか?ずっと見てたぞ?」
「え……?」

恥ずかしい…そんなジッと見てた?これじゃホップに、ダンデさんの事が好きだってバレちゃうんじゃ!?けど、そんなあたしの心配は無用だったみたいで、ダンデさんの試合運びを見ながら見事なまでの解説をしてくれた。

「ありがとう、ホップ!ホップのおかげですごく楽しめた!」
「そ、そうか?そう言われると照れるんだぞ…」
「ほら、あんたたち。マリィの応援に来たんでしょ?少しは構いなさいよ」

マリィって姉御肌だよね、同世代なのにしっかりしてるというか。それに比べてあたしは全然だなぁ、バトル以外は。

「あ、アニキだ!オレ、ちょっと行ってくるぞ!」
「なんか、ホップって台風みたいやね」
「うん、いつも慌ててる気がする…」

ダンデさんの事は気になるけど。マリィが着替えに行くまでの間、ガールズトークを楽しんだ。


bkm
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