04
「ふふーん、かなこ」
「へっ?あたし、何かした?」

朝から研究所に呼び出され、ニヤニヤとした目線をソニアから浴びている。何かの儀式?これ。

「こないだ。デートしてたんでしょ?キバナくんと。ダンデくんから聞いた」
「えっ、ち、違うよ!デートってほら、どこかで待ち合わせして、手つないで…みたいなやつじゃないの?」
「そっか、かなこは手強いんだね」

手強い?何それ。第一、公の場で口説いてくるような人だから、相手なんていくらでもいると思うけど。

「かなこはさ、気づいたら誰か一人の事を考えてる…そんな経験はまだないんだっけ」
「それなら、ホップかも?いつも一緒にいるし!」
「オレが、どうかしたのか?」

ソニアと話し込んでると勉強を終えたらしいホップが話に入ってきた。とゆか、そんなにあたしに恋とやらを叩き込みたいの、もしかして博士になると暇?

「ホップ、ほら!チャンスだよ?かなこをゲットする」
「げ…、ゲット!?そそそそんなの、無理、なんだぞ!?かなこと、その……」
「ちょっとあんた!何考えてるの!?変な妄想ならやめてよ?わたしのかなこに」

賑やかだなぁ、いっつも。二人、何だかんだ言って気が合うよね、絶対。ちょっとだけお菓子を食べながら談笑して、考えてみた。ソニアの、言葉を。

「そう…例えば、どうしようもなく会いたいなぁって思ったり、一緒にいる時間がすごく楽しかったり。でもね、その人が他の女の子といるところを見ちゃうと、嫌だなぁ…って感じたり。その人の事を考えてるとすっごく幸せなんだけど、今の関係が壊れちゃうのが怖かったり。恋って、複雑なんだけど、生きるためには大切なんだよ」

ソニア、乙女だったな…あたしってワイルドエリア走り回ってたり、やたら勝負に強かったり…ってそれは、チャンピオンだし当たり前なんだけど、ガサツだよね。恋…はやっぱりまだわからないけど、ちょっとだけおしゃれ、してみようかな。


bkm
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