「………、確かに、美味いな……」
最近ハウは、マラサダばっかり食べてるからなのか、旅してる時よりふっくらした気がする……?ちょうど会ったんだー!ってグラジオを連れて、登場したの。
「グラジオ、元気?」
「ああ……こないだ、母さんと話をして、家にも戻ることになったんだ。前よりは自由がなくなるかもしれないが……」
そうなんだ……でも、ルザミーネさんと仲直りできたんだもん、それはそれでいいことだもん……ね。
「家にいたって自由にできるよー!おれだって今は家に寝泊まりしてることが多いけどー、ポケモン探しもやめてないよー」
なんてハウは相変わらずで。リーリエとも暇を見つけては会ってるみたい……それを聞いたグラジオは複雑そうなカオしてるけど。
「リーリエに変な真似していないだろうな……?」
「グラジオこそー、過激なことはよくないよー」
ほんとに仲良いなぁ、ふたり。いつものお決まりコースでマラサダショップに立ち寄るあたしたち。
「かなことー、大抵ここでデートしてるんだー」
「………。」
「グラジオ……?」
なんか、怒ってる……?どうしてかあたしの隣に座ってきた。
「おれの隣じゃ不満ー?」
「ああ、男の隣に座るのはごめんだな……それに」
「へ……っ!?」
「かなこの髪……いつもと違う匂いがするな……」
や……、たぶんカオ真っ赤……。こないだリーリエと選んだミストをつけてみたんだけど、キツい匂いじゃない、のかな……。
「わー!辛いー!」
「これはこれで悪くないかもな……」
ハウにからかわれたりしながらあたしたちは、マラサダを注文して。ハウはカラサダ、グラジオは強制的にニガサダを頼まされたみたい……先に盛り上がってるふたり。
「かなこは何にしたのー?」
「あたしはおおきなマラサダだよ!」
「おれのカラサダわけてあげるよー!」
「ありがとう!」
あれ……?何か、グラジオの視線を感じる……?
「グラジオのももらっていいー?おれのもあげるからー」
「ああ……」
それぞれマラサダを交換しながら食べてたんだけど、よく見たらグラジオ、カオが赤い……?もしかして、そんなに辛かったのかなぁ……。それから、マリエ庭園でポケモン捕まえたり、お団子食べたりして、1日が終わっちゃった。
「また、会えるかな?」
「ああ、そうだな。オマエを倒しに、リーグにも行くからな」
それから数日後、ルザミーネさんがあたしを訪ねに、防衛戦に来てくれた。