「ふうん、そうかい」
プルメリさん、スカル団にいた頃から実は素敵な女性だなって思ってたけど、旅に出てからますます綺麗になったよね。それに、防衛戦を通じてこうして話ができるのは、あたしにとってもプラス要因になってるし。
(あとは……)
特に用事がないと、あたしからは誘えないよ……でも、会いたい。グラジオに……、会いたい……。
「……母さん!?」
アローラに帰ってきてから、母さんにはまだ挨拶をしていなかったな……そう思っていた矢先に向こうから、オレのモーテルを訪ねてきた。リーリエからこの場所を聞いたんだろう。
「帰っていたのなら、言ってほしかったわね」
「悪かった、な……」
多くは語らなかったが、出ていった2年間を埋めるくらいの話はできた。
「あなたの帰ってくる場所はエーテルパラダイスにあるのよ。無理にとは言いません、かなこさんのこともあるでしょうから……」
「かなこ、か……?」
「ええ。好き、なんでしょう?かなこさんのこと」
「…………。ビッケから、聞いたのか」
そう聞くと首を振る母さん。リーリエから聞いたわけでもないらしいな……。
「グラジオ……あなた、気づいていないのね。それは、かなこさんにも言えることでしょうけど。お互い好きなのに……もったいないわね」
「……」
母さんの言葉で言う“美しくない”ということなのかもしれないな。オレだってこのままにしておくつもりはない。誰よりもあいつのことを……、大切だと想っている。
「わたくしは……、かなこさんと家族になれる日を、楽しみにしているのよ?グラジオ」
「……。少し、待ってくれ……」
この日を境にオレは、生活拠点を家とモーテルの半々にすることに決めた。