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「グラジオ!」
「……は、どうした」
「意外とおっきかったねー!かなこのおっぱい!」

__!!!小声でそう耳打ちしてくるコイツがやけに憎たらしく感じて一旦、外に連れ出した。その瞬間、なぜか不思議な感情がわき上がってきた。

「オマエ……、許さない……ッ」
「えーっ?何でグラジオが怒るのー?グラジオだって見たかったくせにー」
「……ハウ、オマエ、殴られたいか」

こんな状況でもケラケラ笑っているコイツは最早悪魔だ。お陰でその後バトルをしている時も、ふとした瞬間にかなこの胸元や尻の辺りに目がいって、全然集中できなかったぞ……!!

「……ねえハウ」
「何ー?かなこ」
「今日のグラジオ何か、変じゃない……?」

挙げ句の果てにかなこに心配をされるとは何とも情けない。覗こうと提案した本人はしれっとしているから尚のこと怒りは収まらない……が。

「……きゃあ!!」

いきなり突風が吹き、かなこのスカートが捲れ上がった。落ち着いたはずのオレの心が、変な音を立てて鳴っている気がした。

「……み、見た!?見た!?」
「かなこらしくていいよねー?グラジオー!」
「オレは何も見ていない……ッ!!」

ふざけたことをしていたせいか、気づけば辺りは真っ暗だった。仕方なくロイヤルドームから一番近いポケモンセンターに、3人で1つの部屋に泊まることにした。

「レディファーストだよー」

風呂の順番はかなこ、オレ、ハウだった。そういう時ばかりは気を遣いやがる……全く、憎いヤツだ。ハウが出てきた頃には疲れが溜まっていたんだろう……かなこはすやすやと寝息を立てていた。


bkm
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