「かなこー!遊びに来たよー!」
朝からハウに叩き起こされた……というかどうして、オレのモーテルの場所を知っているんだ……?疑問を解決させる時間もないままオレたちは今、かなこの家の前まで来ている。
「グラジオ、ここに来たことあったんだー!?」
「ああ……まあな……」
「へえー!」
やたら憎たらしい目線を向けてくるなコイツ……。勘が働くのは昔からだが、オレから何か探ろうとしてやがる……。
「え、どうしたの?こんな朝から」
どうやらかなこも同じことを思っていたようだ。生憎母親はハラさんの手伝いでいないと言うかなこは、寝間着姿でオレたちを出迎えた。
「着替えてくるから、ここで待ってて?」
戸が閉まった途端、隣から熱い視線を感じた。不審に思って目を合わせたがハウは、あろうことかかなこの部屋を目で指した。
「オマエ……一体な……」
「しーっ。グラジオはちょっと黙って」
無理やり手でオレの口を押さえると忍び足でかなこの部屋の前まで行くハウ。一体コイツはどういう神経しているのか、オレにはさっぱりわからない。音を立てないようにそっと扉を開けたその先に見えたのは……。
「………」
ちょうどかなこが服を脱ごうとしているタイミングだった。ふと隣を見ればニヤニヤしているハウ……何となく不愉快に思っていたその時。
「………ッ、」
オレは初めて身内以外の裸を見ちまった!!いや……、正確に言えば最低限の布を身に纏ってはいる……が。さほど大きいわけではないと思うが、細身のわりには肉つきが……って、何考えてやがる、オレ!!