09
「たまにはリーリエも誘う?大勢の方が、楽しいんじゃない?」
「えっ、リーリエー!?いいけどおれー、2人だと緊張しちゃうよー!」
「違うよハウ!あたしと3人!それか、グラジオと4人!」

そう伝え直すとそっかー、って。もしかして、ハウもリーリエのこと、好きだったりしてー!

「リーリエもトレーナーになったんだよねー、だったら、誰が一番多く捕まえられるか勝負しよー!」

リーリエも合流してみんなで遊んでたけど、ちょっと意地悪しちゃお!こっそりふたりから距離を取ったらあれ?誰かにぶつかった。

「ご、ごめんなさい……って!グラジオ!?」
「……静かにしてくれ」
「え?あ、うん……」

リーリエが心配で来ちゃった、のかな?でもふたりに挨拶することなく、グラジオはどんどん上に上っていく。

「綺麗……」

黙ってついてきちゃったけど、何も言われてないから、いいよね……?ここは、ヴェラ火山公園の頂上。ポケモン探しをしてるふたりには悪いけど……、こんなすてきな景色をグラジオと見れるなら、悪くないかも……!

「……座らないのか」
「……うん、座る!」

びっくりした……一瞬、誰が話しかけてるのかと思うくらい、優しい声色だった。それからは、黙って夜空を見上げていた。

「……くしゅん!」
「……寒い、のか……?」

ずっと外にいたから、冷えちゃったのかも……!?くしゃみをしたあたしの肩を、グラジオは優しく抱いてくれた。

(グラジオ……やっぱり、男の子なんだなぁ……)

もちろんそんなことはわかってたけど、改めてそういう部分を知ったからか、変に意識しちゃうよ……。この胸の鼓動が、どうか、グラジオに聞こえませんように……。


bkm
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