07
「兄さま、お話があります」
「リーリエ?改まってどうしたんだ?」

カントーへの修行を終えたオレは、その足で真っ先にあいつ__かなこの元へ向かった。アローラで倒すべき相手は、最強のポケモントレーナーである、かなこしかいないとずっと思っていた。あいつを超える……そんな簡単な目標ではないが、いずれそのくらいの強さを手に入れたい、オレはそう思いながらアローラを離れた。

「兄さま、帰ってきていたのなら、連絡くださってもよかったのに……」

オレが家族にも会わず、リーグ挑戦を優先したことは、リーリエにとって不服だったようだ。リーリエがククイ博士の研究所にいると聞き、駆けつけるなりそう言われたからな……。

「……悪かった。オマエに会うのは、それからでもいいと思っていた」
「そう、ですか……」

ククイ博士は気を利かせてくれたんだろう……遅い時間だというのに、オレを招き入れてくれた後、自室に戻っていった。カントーでの土産話などしているうちに、リーリエは眠くなったとロフトへ戻っていった。

(シルヴァディ……オレたちは、どうする……)

オレは母さんのいるエーテルパラダイスに戻るつもりはない。元々は家族を守るために家を出たが、今は自分を鍛えるために必要なことだと感じているからな……それに、モーテル暮らしも悪くなかった。

(………)

夜中だというのにアローラは暖かい。……カントーとは大違いだ。外で一晩空かし翌朝、新たなモーテルを探しにオレは、アローラ中を回った。……リーリエから言われたことを思い出しながら。


bkm
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