「もしかして、ハウ?」
「……わっ、わかります!?」
「うん、他にはいないかなー?って」
「最近よく、街で会うので、気に、なってるだけかもしれませんが……」
そう話すリーリエはさっきとは違う表情で、何だか大人っぽかった。恋をすると、女の子はどんどん綺麗になっていくんだな……って、保護者みたいだけど。
「兄さまには、内緒にしておいてくださいね?その……、よく、思わないかもしれませんし……」
「そ、そうだね……グラジオ、リーリエ大好きだもんね……」
ほんと、妬けちゃうくらい。グラジオってばカオがいいからモテるはずなのに、本人は全然周りの気持ちに気づいてないんだもん……。
「……かなこさんは」
「うん?」
「兄さまのこと……、どう、想ってらっしゃるんですか?」
「え…………っ!?」
きゅ、急にそんなこと聞かれたら……たぶんあたし、カオ真っ赤だよ……。その様子にどうしてかリーリエは、満足そうに微笑んだ。
「兄さま、不器用な方、ですから。かなこさんになら、安心してお任せできますので」
「えっでも!グラジオはあたしのこと、そんな風には想ってないよっ!?ら、ライバルとしか……」
「そう、ですか……」
……え?何でそんなに残念そうにするの?あたしは知らなかったけどこの時、リーリエはある決意をしていたみたい……。