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「ここ……」
「ああ、今、改修工事中なんだって。元々はロケット団が運営してるゲームコーナーでさ…」

たまたま故郷に遊びに来ていたというエリートトレーナーから聞いた話。もぬけの殻になった地下を全て封鎖し、タマムシゲームコーナーとしてオープンする予定だと言う。

「金儲けのため…ろくでもない人達ね」
「そうだね…けど、きみは女の子だから。変な連中に絡む時は、ちゃんと彼氏を頼るんだよ」
「彼氏?」

いきなりこの人は何を言い出すんだ。かなこの頭の中は疑問符でいっぱいになった。それとも女は、ロケット団と戦ったらいけない理由でもあるのか。もやもやしながら次の街へ向かった。

「………」

ポケモンの供養のために建てられたポケモンタワー。いつしかゴーストポケモンの住処になり、あげく幽霊騒ぎで客足は途絶えた。このままではまずいとシオンタウンの長が街おこしプロジェクトを立ち上げたという。ボランティアとして参加するフジ老人は、魂の家と称して、タワーにあるポケモンの墓を引き取り新たな弔い場を作ったと聞いた。

「そっか、なくなっちゃうんだ…」

命に終わりを告げた者たちの行き場が、天に高くそびえ立つあのタワーでなくてもいい、フジ老人はそう考えたんだろうか。代わりにラジオ塔が建てられるらしいが、果たして観光地として売り出していくのかまではかなこの知るところではない。

「そろそろ、帰らなきゃ…」

変わりゆく世界。それに少しだけ恐ろしさを感じた。もちろん時代はどんどんと変化していくものだ、その時の流行りなんかに左右されるのは当然とも言える。だが…、比較的田舎街の多いカントーに、どれだけの観光客を呼び寄せるつもりなのか。上の考えてる事は理解しがたい。

『かなこ、オレの話を聞いてくれ!』

それからまもなくして。しばらく会っていなかったグリーンから、連絡が来た。


bkm
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