「えい……っ!」
もったいない。必要ない。そんな理由で使わずじまいだったが、図鑑はこれで完成のはずだ。そう思うよりも先に、身体がボールをミュウツーに向かって投げていた。いつもならガタガタと揺れ続けるも、さすがマスターボール。どんなポケモンでも必ず捕まえられるというのは本当らしい…、びくりともせずに収まってしまった。
「やった…!図鑑の完成だ…!」
そう。確かにこれで図鑑は完成した。だが、何か忘れていないか。ミュウツーの生みの親、ミュウは果たしてどこにいるのか。そもそも、ミュウなしで図鑑完成と呼んでいいのか。疑問はあったが、オーキド博士の元へ向かった。
「ついにパーフェクトな図鑑の完成じゃ!……おめでとう!」
「ありがとうございます…!」
想像していた以上に、オーキド博士は喜んでくれた。簡単な道のりではなかったが、こうして喜びを露にしてくれる姿を見ると、頑張ってよかったと思った。カントーに生息するポケモンは全て記録したが、他の地方や世界に目を向ければ、まだまだ知らないポケモンがたくさんいるという。
「少し、考えてみます」
さあ果たして自分は何をしたいのか。他の地方に出向いて、ポケモンを探すなり、ジムに挑戦してリーグへの挑戦権を得るのもいいのかもしれない。ふらりと観光気分で、実はジョウトへ繋がっているとされる、チャンピオンロードにも繋がるゲートをくぐってみた。
「…………?」
どうやらジョウト地方へは、滝を登らずには行けないらしい。もちろん自力で登るのは不可能だ…、ならぱポケモンに覚えさせる技でもあるのではないか。そう思い、ある人に聞きに行った。