03
「わ、かっこいい……!」

たまたま本屋の前を通りかかると、キバナさんが表紙を飾る雑誌が目に留まった。いっつも優しくて、お兄ちゃんみたいな存在だけど。こうして見ると、まるでモデルさんみたい…顔も整ってるし、背は首が痛くなるくらいに高いし。人気があるのも頷ける。

「……チャンピオン、ですよね?」
「え?あ、うん。きみも、ポケモンやってるの?」

人見知りで、知らない人と話すのがそんなに得意じゃなかったあたしだけど。田舎っぽい雰囲気からなのか、ジムチャレンジの頃から街では注目の的だった。でもそれが、後々ダンデさんが推薦したからだっていう理由がわかって、すっきりしたのも記憶に新しい。今では、街中でファンに声をかけられるほどになったなんて、あの頃からは全然想像つかない。

「今度、教えて、もらえますか?」
「うん、いいよ!そしたら、連絡先教えて?」

基本的には他人に個人情報を教えるなってリーグスタッフにキツく言われてる。でも今回は相手が子供だし、いいよね?アイドルじゃないんだし…。広場でポケモンの話をする約束をして、レジでさっきの雑誌を買う。

「あ、マリィにビートくん」

彼らはあたしの同期で、後にふたりともジムリーダーに就任した。事情はいろいろあったけど、元々実力者だったからなのか、初めて聞いた時も全然違和感なかったな。本格的に忙しくなる前に、同期の集まりでも開いてもらおう。


bkm
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